エピソード37 卒業式 ページ38
入試から1ヶ月もしないうちに、私たちは卒業式を迎えた。
門出の日に相応しい快晴の空によく映える満開の染井吉野は春風に揺られながら舞い散る。
卒業生の言葉は、生徒会長を3年間務めた私が任された。
現実味ないかもしんないけど、ガチで3年間やったんだよね(ドヤァ)
入学当初に敵を捕まえて有名になって、知名度が上がった感じ。
こんな性格でもA型ですから几帳面で。
噛まないように何回も練習したんだぞー。こんなに光栄な仕事を任してくれたからね。
受験が終わってから何度も練習した卒業式も本番はあっという間に過ぎていった。
卒業式の退場は、私が努力し、悩み、励み、そしてたくさんの涙を流した吹奏楽部が演奏する。
今まで地区大で無賞の弱小校だったけど今では全国大会に行くほどの強豪校になった。
引退してからもさらに上達してて、その演奏に泣かない、と決めてたのにやっぱ感動して泣いた。
最近、涙腺弱すぎるんだよな、って思うくらいよく泣く。
自分の気持ちは素直に、だから表情が豊かになったのかな？
泣き止んで少し落ち着く頃に、気づけば退場してて、教室は最後のホームルームをしてた。
いつもは熱血で泣かなそうな担任だけど、今日ばかりは涙ぐみながら話していた。
卒業、っていう現実味がない。
染井吉野が全部散って、八重桜が満開になる頃、
私たちはそれぞれの道で新しい生活をしてるんだなと思うと、ますます現実味が湧かない。
クラスで余った時間にはクラスメイトと話したり、卒アルにメッセージを残し合う。
大人になって見返した時、財産となる代物だ。まあ、その頃には私は敵になってるんだろうけど。
そう思うと、私に残された時間の少なさを感じる。余命宣告されてる人も、こんな心境なのかな…
考え出したら止まんない、私のネガティブ思考がむくむくと湧き上がった。
いけない、そう思って頭を振ると、最後のチャイムが聞こえた。
中学校義務教育の終わりを告げる、悲しいチャイムだ。
昇降口を出てインターロックに出れば、そこには他クラス、他学年の生徒でわんさか溢れてた。
他クラスの友達や部活の後輩、同級生、生徒会の人…いろんな人に囲まれて、告白されて…
気づけば殆どの生徒が帰宅して、この場には少数の生徒しかいなかった。
空は夕暮れの橙、まだ暮れていない空の水色、柔らかく色づく桃色の虹色でできていた。
その色があまりに美しく、見惚れながら校門へと歩いていった。
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胡桃 - たくあんさん» 了解です！やっぱ爆豪くんですよね！！ (2018年4月30日 21時) (
レス) id: 7378d7060e (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - オチは爆豪がいい！ゼッッッッッタイ爆豪！ (2018年4月29日 16時) (レス) id: 3a6807fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為なので違反報告の対象になります (2018年3月24日 18時) (レス) id: f71214a95d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡桃 | 作成日時：2018年3月24日 17時
