エピソード15 変わらないもの ページ17
それから毎年毎年鬱陶しい人混みを我慢しながら祭りに出掛けた。
アイツに会うためだけに。
それでも、アイツには会えなかった。
あんな口約束、忘れても仕方がない。
そんなことわかっていても落ち込んでしまうのは、会えなくなって気がついた。
脳にこびりついて離れないあの笑顔。
吸い込まれるように惹きつけられる海色の瞳。
しっとりとした澄んだ声。
全部全部愛おしくて、会いたいと思うと苦しくなる。
あれから8年。今年の夏だ。
あの日と同じように鬱陶しいくらい暑い夏だった。
アイツは誰か違う女友達と楽しそうに祭を満喫していた。
忘れられたことはムッとしたが、彼氏を作っているよりはマシだった。
あれからAのことを徹底的に調べ上げて、遂にクリスマスイヴを迎えた。
アイツは案の定俺を忘れていた。
だが構わない、これから俺の色に染めていけばいい。
あの笑顔、あの瞳、あの声は昔と変わっていなくて
大きく変わったことといえば、髪をバッサリと切っていたこと。
もう1つは、心が凍てついていたこと。
悩み続けるアイツを、俺はほっとけなかった。
涙を流すことさえ拒絶し、寂しさに暮れるアイツを、助けたいと思った。
大きな海から、零れ落ちる雫を1つ1つ拭い、その小さな体を抱きしめる。
自分の腕の中にずっと探し求めていたアイツが、俺を信じて腕の中にいる。
それが堪らなく嬉しくって、満足感と苦しむAを救えなかった自分を責めたりした。
ーーーーーー
黒霧「Aさんは死柄木弔の言うことはなんなり聞くようでしたけど…
連合に入ることは悩んでいるようでしたね。」
「ああ…。Aは、ヒーロー志望だからな。どこがいいんだか、あんな社会のゴミなんて。」
苛立ちながら、グラスに注がれた酒を豪快に飲む。
黒霧「言うことを聞かす約束をしたなら、敵連合に入ることを強制させればいいのでは？」
「俺は、Aの意見を尊重するよ。強引にやってもこっちが辛くなるだけだから…」
黒霧「クスッ」
「何が可笑しい」
急に笑い出して、気持ち悪ぃ。
黒霧「死柄木弔がそこまで人に優しくするなんて…」
「………」
誰にでも優しい訳じゃねぇ。誰でも、というかAだけだ。
黒霧「おや、そろそろこちらへ向かってきてるようですよ。」
廊下の方から足音がすると思うと、Aがタオルを肩にかけてここへ来た。
髪が濡れていて…色っぽい。思わず生唾を呑んだ。
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胡桃 - たくあんさん» 了解です！やっぱ爆豪くんですよね！！ (2018年4月30日 21時) (
レス) id: 7378d7060e (このIDを非表示/違反報告)
たくあん - オチは爆豪がいい！ゼッッッッッタイ爆豪！ (2018年4月29日 16時) (レス) id: 3a6807fdc3 (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい。違反行為なので違反報告の対象になります (2018年3月24日 18時) (レス) id: f71214a95d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡桃 | 作成日時：2018年3月24日 17時
