マリーゴールド【松村北斗】 (ページ25)

今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:25,138 hit

マリーゴールドページ25

·

入学式当日。

昨日買ったスーツを着る。

北斗といつか買ったお揃いのブレスレットをつける。

『いってきます』

母「お母さんも後で行くからね」

『はーい』

母「じゃあ行ってらっしゃい」

『いってきます』

玄関を出ると北斗が待っていた。

『おはよ』

「おはよ行こっか？」

『うん』

自転車を漕ぎながら北斗と話す。

「お母さん来る？」

『来るよ北斗のお母さんは？』

「Aのお母さんと来るって」

『そーなんだ』

電車に乗って人に揺られる。

自転車がどれだけ楽か理解した。

既に高校生に戻りたいと思った。

20分くらい電車に揺られて駅を出る。

少し歩くと大学が見えてきた。

『はぁ…』

「大丈夫？気分悪い？」

『ちょっと』

「休もっか？まだ時間あるし」

そう言ってベンチに腰掛けた。

『ありがとうごめんね』

「謝んないで」

『うん』

私は北斗にもたれかかって目を瞑る。

「引っ越そっか？」

この時は気分が悪くて北斗が何か言ってるな

程度にしか思わなかった。

『うん』

「お金貯めるから待っててね」

『うん』

少しすると酔いが冷めてきて大学へと向かう。

『北斗ありがとうさっきなんか言ってた？』

「ううん何も言ってないよ」

『？？そっか』

北斗が嘘をついてるなんて思わなかった。

合鍵を貰って2人の家と言われた時は

驚きすぎてぐうの音も出なかった話はまた今度。