キンモクセイ【松村北斗】 (ページ11)

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キンモクセイページ11

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昼休みになっても雨が降っていて止む気配がない。

『今日屋上無理だね』

「そうだね松本さん食べる人いる？」

『お恥ずかしながらいないよね』

「じゃあ一緒に食べる？」

そうやって北斗くんが言うと教室の女子達が

私には目もくれず北斗くんの周りに群がる。

そう。北斗くんと仲良くし始めてから友達が出来ないのだ。

そもそも1年生の時も樹達と仲がいい時点で

友達はいなかったのだけれど。

そんなネガティブのことを考えていたら北斗くんは

私の前に座った。

「ごめんね待った？食べよ」

いただきますと手を合わせた姿が可愛かった。

ご飯を食べながら疑問に思っていたことを聞く。

『どうやって女子達断ったの？』

「お前らより先に約束してる人いるからって」

どうやら北斗くんは言う時は言う人らしい。

そういうのは言えない人だと思ってたから少し驚いた。

『ねぇ北斗くん女子達の視線が怖いよ』

「そうだね。食べにくい？言おうか？」

『これ以上北斗くん嫌われたら大変だから大丈夫』

「そう？あのさ唐揚げ美味しそうだね」

『食べる？』

私がそう言うと北斗くんは目をキラキラさせながら

いいの？と言って唐揚げをあげると満足そうに頬張っている。

その姿を見て私は北斗くんって可愛いなと思った。