キンモクセイ【松村北斗】 (ページ2)

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先生が席は松本の後ろと言われて思わず手を上げる。

何故って？私の名前が松本Aだから。

松村くんは俯き加減で私の後ろの席に着いた。

席に着いたのを先生が見ると松本案内よろしくな。

と言われた。周りから羨ましいとか声が聞こえる。

私もこの立場じゃなかったら同じ事言ってるな。とか

考えながらも分かりましたと返事をした。

休み時間になる度松村くんの周りには人が集まる。

女子も男子も、松村くんは少し困っていた。

あまり話すのが得意じゃないのかも知れない。と思った。

放課後になって放課後も人が集まるのかな？

と思っていたけど皆帰りたいのか来なかった。

だから私は『松村くん案内するね』と言って席を立った。

「ありがとう、お願いします」

『自己紹介してなかったよね？私松本A！』

「松本さん」

『はい？』

「呼んでみただけ」

松村くんってお話苦手と思ってたけどそーじゃなくて

皆が聞こうとしなかったんだとこの時思った。

てか呼んでみただけって可愛い！可愛すぎる！

『今日大変だったよね？』

と当たり障りのない会話をしながら案内をする。

「ううん、楽しかったよ」

『そう？ちょっと困ってるように見えちゃった』

「俺話すの得意じゃないんだ」

『そっか私もあんまり得意じゃないな』

「でも松本さんとは話せる」

『っ！/////わ、私も』

「今日朝金木犀見てたよね？」

『うん見てたよ』

「あれ俺なんだけど気付いてるよね？」

『うんなんであそこに立ってたの？』

「好きな人の匂いなんだ」

私の恋は終わったらしい。

恋と失恋1日で経験するって忙しいな私。

って自分でつっこんで流れそうな涙を引っ込めた。