誰ですか【d!】 (ページ47)

今日:25 hit、昨日:53 hit、合計:71,011 hit

047 ページ47

A side

思えば、朝から倦怠感はあった

でもそれは信用とか疑念とか、そういう他のに混じったものだと考えていた

無意識に脳から消し去っていた

…まぁ、現に今熱が出て倒れてるんだけど

zm「なんで、なんで言わんかったん
　そんなに俺ら信用なかった？」

『ううん、違うよ
　…気が付けなかっただけだから』

『ゾムさんに言わなかったのも気のせいだと思ってたから』

嘘はついてない

熱のせいだろうか

目の前にいるこの人は信用できる、と思ってしまう

熱で理性が無いからこそ、本能がそう感じているのだろう

前世からの仲間だから、というのを本能は感じ取っている

でもそれは普段は理性が抑え込んでいるから表に出てこないだけで

脳内ではきっと、私は彼らを認めているのだ

信頼できる人だと、仲間だと

sn「Aちゃん、熱だいじょ……あ、ゾム」

zm「ぺ神」

sn「丁度良かった、Aちゃんのこと家に送ってあげてくれない？」

『……え、』

sn「いやあ、親御さんに連絡したんやけど仕事抜けれなさそうって言われちゃってな？
　どうしようかと思っててん」

sn「でも、ゾムが丁度居ってよかったわ
　家知ってんねやろ？」

悪意のない、善意だけの笑顔

そんな笑顔でぺ神先生は笑った

…まぁ、知ってはいた

私の親がこんな熱ぐらいで迎えに来るはずがない

というか大事故をしても迎えに来ない説はある

zm「……おん！わかったで、俺に任せとき！！」

ちらり、と此方を見たゾムさんは笑ってそう言った

あー、なんか後で色々聞かれそう

めんどいなぁ、答えるの……

sn「……それで？最近寝れてないみたいだけど何してるの？」

ゾムさんが教室へ荷物を取りに行くと、ぺ神先生がこちらに向き直ってそう尋ねた

『いえ、特には何もしてませんよ
　………ただ、最近…』

sn「ただ、最近？」

言って、いいのだろうか

信じてくれるのだろうか