誰ですか【d!】 (ページ46)

今日:55 hit、昨日:53 hit、合計:71,041 hit

046 ページ46

zm side

倒れたAを慌てて支える

兄さんに許可を取って保健室へ走った

またや、また倒れた

…何を抱え込んどるん？

大先生から聞いたみたいなことがまたあったん？

いや、最近は一緒に帰ってるしそれは有り得へん

じゃあ、なんで……？？

わからへん、なんにも

倒れてほしくないんよ

居なくならんといてほしい

自分の体を大事にして欲しい

なんて思う俺は可笑しいんやろうか

前世じゃ先に居なくなったんは俺らの方なのに

がむしゃらに走って保健室のドアを開けた

sn「ゾム、どうし………？！
　 …、ベッドに寝かせて」

「おん」

言われた通りにベッドに寝かせた

Aの目の下には薄くだがしっかりと隈が刻まれていた

…寝れてへんのか？

sn「ゾム、教室戻りな
　まだ解散前やろ」

「でも……」

sn「大丈夫、俺がついとる」

「…せや、な
　また来るわ」

sn「おん、終わったら来てええから」

そういって手を振ったぺ神に手を振り返して俺は教室に戻った

いつもなら聞き流している兄さんの話も今日は無駄に長くてうずうずしてしまう

や、兄さんが悪いってわけやないんだけど……

ni「おい、話聞けや」

「あでっ」

兄さんに強めにどつかれた

前世からの有り余る力使って俺のこと殴るのやめてくれへん？？？

結構痛いんやぞ？？

　
解散になり、慌てて保健室に行く

ドアを開けると、起き上がっているAの姿が見えた

「っ、よかった……目覚めたんやな」

『……ゾム、さん？』

「倒れたんやで？大丈夫やった？？」

『え、いや、私は別に…』

「 " もー、大丈夫だよ
　ゾムは心配性だなー " 」

脳内で似たような声がした

Aはふんわりと笑ってはいるものの、手はぎゅっと握りしめられている

知ってる

Aが笑って手を握りしめるとき、これは……

「嘘やろ？」

『え？』

「体調悪いんやろ？嘘つかんでや」

『…………』

小さく目を見開いて俺を見るA

なんで、って顔しとんな

何回目やろ、Aのこんな顔見るの

「正直に言うてや」

『…微妙に風邪ひいてるみたい、微熱だけど
　後はあんまり寝れてないから倒れただけだよ』

だから大丈夫、と言ってAは笑った

…一体どこが大丈夫なんやろうか