誰ですか【d!】 (ページ41)

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朝起きると、お母さんは既に家を出ていっていた

「おはよう。お母さんは仕事が入ったためもう家を出ます。
　暫くお父さんも私も家に帰れないので、いつも通り通帳から食費やら引き出して生活してね

　母より」

昔は「愛してるよ」だったり「何かあったら言ってね」だったり、少しは私への言葉があったけれどもう既にそれは無い

わかっていた、わかってはいたけれど

『……情なんて無いんだ』

結局私は親に捕っての"駒"でしかないことを知らしめられた

なんて、自己憐憫もいいところだな

『…学校、行かないと』

そうぽつりと独り言を漏らして鞄を持った

そのまま家を出る

玄関の先に居たのは恒例になりつつあるゾムさんと……シャオロンさんだった

sho「おはよー！」

『おはよう…？
　今日はシャオロンさんもいるんだね』

sho「せやで！」

zm「こいつ目敏くついてきやがって…」

sho「ゾムだけにええ顔はさせへんからな？」

zm「は？」

なぜかバチバチと睨み合う2人

……いや、あの2人でわちゃわちゃするなら先行ってくれません？？？

バチバチしてる間に入って「学校行こう！」なんてできないんですけど、私

『…………』

いや、ガチで言えねえ………

zm「あ、せや
　今日体力測定やんな！！」

『…あ、うん
　そうだね』

sho「前の学校でもそう言うのあったん？」

『あったはあったけど……ほぼほぼ意味を成してなかったかな？
　ただ測るだけ、って感じ』

zm「ほー……そうなんや
　やっぱ学力メインやったん？」

『うん
　部活動もクイズとか文学研究みたいなのは目立ってたけど、運動系の部活はあんまり』

『やっぱ進学校だからね』

まあ私は部活とか入ってなかったから

友達いないのに部活入る有機なんて無かったし、そもそも興味がそそられる様な部活はなかった

………でも、体力測定か

この人たちは体力測定で私に引いてしまうだろうか

…いや、引かないはず、ちゃんと、友達として………

sho「……A？」

『ッ！
　あ、いや…なんでもないよ、大丈夫』

sho「？おん」

そうだよ、まだ完全には信用しきれてないんだから

"引かれる"とか関係ないのに