誰ですか【d!】 (ページ38)

今日:76 hit、昨日:53 hit、合計:71,062 hit

038 ページ38

……でも、なんでそんなことをしなければならないのか

皮肉にもそう思ってしまう

だってそうじゃないか

今から関係を築けばいい物を態々前世を思い出させて何になる？

そもそも前世の死因すらなんとなく悟れてしまう

前回見た我々国、多分私はその幹部の1人

だとしたら戦死以外ありえない

戦争に参加した人が幸せに死ねるなんてありえない

つまりバッドエンドの物語を思い出せ、といっているようなものなのだ

そんなの私だって御免蒙りたいものである

ht「…無理に思い出してほしい、とは思ってないんだ
　でもね、少しずつでいいから思い出していかない？」

em「私たちに手伝えることあったら手伝いますから」

ひとらん先輩とエミ先輩はそう言って笑った

『………頑張ってみようとは思ってます』

em「！」

『でも、どうしたら思い出せるんですか？』

ht「それは……」

グッと言葉に詰まるひとらん先輩

……はは、私何聞いちゃってるんだろう

もし知っていたらそれを使って思い出させようとするはずなのに

なのに、なんで、

『すみません、変な質問をしましたね』

em「……Aさん」

『ほら、こんな空気じゃお菓子も不味くなっちゃいますよ！！
　楽しく食べましょ！』

ht「…そう、だね」

os「それにしてもまた敬語に戻ってんで？」

『あ、御免』

os「んふふ、よかっためぅ！」

em「と、いうか生徒会室大丈夫ですかね…？
　トントンさん一人で」

ht「大丈夫でしょ、あの"鬼の書記長"樣なんだし」

em「まあそうですね」

…鬼、かあ

脳裏に知っているような光景が浮かび上がる

相変わらず顔は見えない

…でも、少しずつ思い出せているのかな