誰ですか【d!】 (ページ30)

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ほんまに俺らはAちゃんに甘いと思う

これは俺も、俺らも自覚している

自覚していてもやるのだ、自分の意志で

多分俺らは他の生徒会もこのように傷つけられたら動ける

だって前世からの大切な、命さえ預け合った仲間やから

やから、早く記憶戻って

何のために"何年も"なんて言ったと思ってるん？

頭いいAちゃん…いや、Aならわかってくれるやろ

tn「…？鬱先生、どないしたん？」

「あ、いやなんでもあらへんで
　あー、あとこれそいつが持っとったハサミ」

gr「うわ、なんで持ってきたん」

「Aちゃんに渡された」

tn「捨てときゃええやろ」

「せやな」

俺は乱雑にハサミをゴミ箱に投げ入れる

ゴト、という音がした

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

A side

『連絡先…』

どうしよう、交換しちゃった

嬉しさで頬が緩む

鬱さんと交換したから、という理由ではない

ただ単に、"友達と"連絡先を交換できたのが嬉しいのだ

小学校からずっと1人だった

自分で言うのもなんだが頭もよく、運動神経も良い…そんな私に話しかけるのは媚を売ろうとした人か必要最低限の会話のみ

だから今まで"友達"と呼べる人はいなかった

でも、沢山増えた

ゾムさんにシャオロンさん、鬱さん……後は加えていいかわからないけどロボロさんやコネシマさんなどの生徒会の人たち

『転校して、よかったかも』

ベッドに倒れ込んでスマホの画面を見る

「宜しくね」と10分前に送った連絡にはもう既に既読が付けられていて、「こちらこそ」と返ってきていた