誰ですか【d!】 (ページ26)

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「でッ…でも、この人猫被ってるんですよ…！？明らかに生徒会様と話してるときと口調がちがッ…」

ut「んなこと知ってんねん、こちとら何年一緒に居ると思う？
　お前が思っとるよりAちゃんのことは知ってんねや、素も全部」

『…………』

私からしたら何日

でも彼らからしたら"何年"か

やっぱり私に記憶はない

彼らと出会って話した記憶も、何もかも

ut「あ、あとこのことはグルちゃんにお話しさせてもらうな？」

「ぇ、ッ…」

ut「悪くて退学処分やろなあ…まあせいぜい気長に判決待っときや」

伸び伸びとした声でそう告げた鬱島さん

パッと手を離すと彼女は顔を青くしてしゃがみ込む

「……な、なん………、……」

小さく何かをつぶやいているが聞こえない

「ッ…、………………だ、お前のせいだッッ！！！」

突然血走ったような目で此方に駆けてきた彼女

私にまたもやハサミを振り下ろす

ut「ッ！」
　

何故かスローモーションに見えた

驚くでもなく悲しむでもなく怯えるでもなく

私はただ、冷静だった

目の前の色が失せる

動きが遅く見える

よくわからない私の本能に身を任せた

考えを許さない体は動き彼女の後ろに回る

彼女がスローモーションで此方を見る

それを冷たい目で私は見ると、その首に手刀を叩き込んだ

またもやスローモーションで倒れる彼女

意識が失われた手からハサミが飛び出す

私はそれを難なくキャッチすると鬱島さんにハサミを手渡した