誰ですか【d!】 (ページ25)

今日:89 hit、昨日:53 hit、合計:71,075 hit

025 ページ25

『……言いたいことはそれだけですか？』

「なッ！」

一区切りがついたようで彼女は小さく息をした

それを見逃さずに私が言葉を発すると、面食らったように目を見開く彼女

『あの、そういうのいらないんで
　ハッキリ言って下さい"生徒会に近づくな"って』

『「ファンクラブ入ってないからって近づく子困るのよね～」ってそんな回りくどい言い方しても理解できない人は理解できないんですよ
　私が理解できてよかったですね？』

『それとそんなに言うんだったら貴女もファンクラブ抜けてアタックしたらいいじゃないですか
　相手を羨んで嫉妬して蔑んで貶めて…なんてしてても何も変わりませんけど』

「ッ…アンタ、黙って聞いてれば……ッッ！！」
　

バッと手を振り上げた少女の手にはハサミが

…あぁ、初めて見たこんな人

前の高校ではこうやって言えば「ッ…覚えてなさい」みたいな感じで逃げていったからなあ…

ボーっとその様子を眺めていれば

＿＿バシッ

そんな音がして彼女の腕が止められた

　
「ッ！」

ut「…なぁ、何してるん？」

とても低い声

片目だけしか見えない瞳は青色なのに確かな怒りを宿して少し赤色が混じっているような気がする

「う、つ樣……」

ut「…ああ、君確かファンクラブの子やったな
　番号なんやっけ……」

「よっ…47番です！」

ut「ふーん、そうなんや
　で？」

「で、とは……？」

ut「47番やから何？
　確かにうちのファンクラブ300は声撮るから50未満は猛者～、みたいな感じやけど別に贔屓とかせんけど」

ut「…ああ、そういや俺ってファンクラブの100未満の子やったら名前覚えとるー、みたいな噂流れとったっけ？
　全然覚えてへんけどw」

「ッ……」

ut「あとな、別に俺好きでこういう…止める？みたいなことせんねん
　でもな、俺にも傷ついてほしくない人はおるねん」

ut「お前はその"傷ついてほしくない人"に値する人間を今傷つけようとした…この意味わかるやんな？
　生徒会で大事にされてる少女ってのはそういうもんやで」