誰ですか【d!】 (ページ23)

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次の日

朝家を出るとゾムさんの姿はなかった

どうやら今日は一緒に行かないらしい

仕事だろうか？

まあ別にこれまで1人で登下校していたためそんな寂しくもないが

そういえば今日は変な夢見なかったな、と空を優雅に飛ぶ鳥を見てふと思った

「おはよう、Aちゃん！」

『…あ、おはようございます』

クラスに入ると女の子に話しかけられた

光に照らされ透き通るような黒色に光る髪の毛をなびかせた彼女は私の席へやってくると笑顔で言った

「今日の放課後校舎裏に来てくれないかな？」

『えっと……それはどうしてでしょうか…？』

「私ね、Aちゃんと仲良くなりたいの！」

見え透いた嘘

顔が笑ってない、作り笑いも下手

これだったらオスマン先輩やチーノ先輩の作り笑いの方が何百倍も分かり難い

というかそもそも仲良くなりたいなら今この場で良いのに

態々校舎裏に呼び出す意味がわからない

『…………わかりました』

「ありがとう～！」

　

じゃあまた放課後ね！といって歩いて行ったクラスメイトの彼女

なんとなく状況は察せた

多分牽制だろう

生徒会の見た目からしてあういうところには"ファン"がいる

多分そのファンが私に目を付けたのだろう

転校初日で生徒会に気に居られ生徒会室にも招かれている

そんな絶好の虐めの対象を見逃すわけがない

ああ、またか

高校1年生の記憶を思い出して小さく顔を歪める

　
zm「おはようさん」

『…あ、ゾムさん』

zm「…？、顔…」

『あ、いやなんでもないよ
　少し考え事してたの』