誰ですか【d!】 (ページ3)

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1時間目が始まった

生憎教科書等はないので隣の子へ謝って見せてもらう

隣の子は茶色の髪の毛をおさげにしている可愛らしい女の子

男子が苦手、というわけではないがこういうときに男子だと困るので女子でよかったな……

「…が、～～で…」

でもはっきりいって今の単元もう元の学校で習ってるんだよなあ…

前居た学校は俗にいう先進校で1年の3学期はほぼ2年生の1学期のことを習っていた

でもまあ少し詳しく教えてもらえるかもしれないしきちんとノート取っとこ……

放課になった

あの声を出した緑のパーカーの人は来なかった

まあ人違いだったのだろう

その方が私にも安全だし嬉しい

「なあ、昼飯一緒に食べへん？」

とか思っていた時期がありました

御昼放課になって食べよう、と思った瞬間肩を叩かれた

振り返ると朝の人が

『…ぇっと…私、ですか？』

「おん」

行くで、と手を引っ張られた

え、拒否権ないんですか？？？

連れてこられた先は屋上

前の学校では行ってはいけない場所だったから少しウキウキした

前に居る人はドアをあける

「おー、"ゾム"遅いで……って後ろ、誰？」

振り返った男性が私を見て目を細めた

相手からは私の姿が見えないらしい

私からは相手が見える

茶髪に黄色い瞳、そしてオレンジのニットを被っている人

顔立ちは女性に近いが声は全くの男性である

「あー、……えっと、見ても驚かんといてな？
　いや無理かもしれへんけど……」

そういって目の前の人がどくとさっき疑問の声を出した人が目を見開く

そして私に抱き着いてきた

『ぇ、？』

「ぅ……おま、いつ、え…………」

何も言葉にならない様子

ただそれはこちらも同じ

というかこちらのほうが重大である

知らない人に抱き着かれている

なんか知らないけど喜ばれている

なんで、という疑問よりも先に「気持ち悪い」という感情が湧いて出てしまった

私の悪い癖だ、ともわかりながらも言葉を発した

『あの……誰、ですか？』