誰ですか【d!】 (ページ15)

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学校についても私の頭の中には「？」でいっぱいだった

ゾムさんがいったのはどういう意味だ……？

「＿＿＿ぎ！桜木！」

『！』

いけない、ボーっとしていたようだ

「桜木、問3の答えは？」

『……x=6です』

「正解だ」

ボーっとしていたことに特に言及はないようで、答えるとまたコツコツと黒板に書き始める

一瞬ドキドキした心を押さえつけながらノートに目を落とす

＿＿前世とは

少し目を見開いた

無意識のうちにこんなことを書いてしまったのだろうか

……前世、ねぇ

信じてはない…が

ゾムさんの言葉がもし"前世で関りが有ったから"という理由なら少しは納得がいく

シャオロンさんの反応も、他の皆の悲しいけど嬉しそうな目で私を見ていたのも

全部、全部

『………わかんないよ』

誰にも聞こえない程の声量で小さく呟いた

理解なんて、したくない

『…図書室』

ここの学校の図書室は国内有数の大きさらしい

学校を決めるときにそう書いてあった

ここなら何かあるかもしれない

「何かお探しですか？」

急に隣で声がして慌てて振り返る

『あ、いえ…少し気になって』

「……そう、なんですね」

振り返った私を見て少し目を見開いたその人はすぐさま表情を戻し笑いかけた

「ここ広いですからね
　館内説明…いりますか？」

『お願いしても良いですか？』

「ふふ、いいですよ」

この図書室は先程の人が言った通りとても広い

そのため迷う人が多くいるらしく図書室にしては珍しくコーナー説明がある

1つ1つ丁寧に説明してくださる人の声に耳を傾けた

「ここを右に曲がってすぐのところに歴史や文化の本が置いてあります」

歴史や、文化

…少し気になった

「…ふふ、気になりますか？」

顔に出ていたのだろうか

にこにこと笑って問われた

『…まぁ、少しは』

「そうなんですね
　この図書室、歴史や文化のコーナーだけ異様に多いんですよ」

「よければ借りて見ていってくださいね」

一通り説明を終えたその人はでは、といって戻って言った

ぺこり、と会釈をして歴史や文化のコーナーへ向かう