誰ですか【d!】 (ページ13)

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A side

…ここは、どこだろう

私はどうしてここにいるんだろう

目が覚めると知らない景色があった

お城だろうか

いかにも高そうな大理石で作られた壁や床が続いている

天井は高く、綺麗なシャンデリアが私を照らしている

『…………』

声は出ない

頬をつねってみた

痛くない……ってことはこれは夢？

明晰夢…というものだろうか

「A～！！」

声をかけてきた人が一人

聞き覚えのある声、誰だっけ

思い出せないや

『 " どうしたの？＿＿＿＿＿ " 』

自分の意思とは関係なく喋る口

肝心の名前の部分はくぐもったように聞こえない

相手の顔も見えない

ただ服は………ぐん、ぷく…？

どういうことだろうか

軍服ってことはここはロシアとかアメリカってこと？

「そろそろ訓練の時間やで！早く行かんと＿＿＿＿に粛清されるで～？」

『 " うわー、それは嫌だなあ…
　じゃあ早く行かないとね！ " 』

訓練

会話の内容的に私も行くのだろうか

目の前の男の子は私の手を引っ張るとそのまま走っていく

そしてそのまま暗転

『……っは、』

冷や汗をかきながら飛び起きる

随分はっきりとした夢だった

今でも覚えている

あの手の暖かさを

ぼーっと握られた手を見つめながら数秒

『…！学校！！』

慌てて時計を見る

いつもより遅いがまだ間に合う

慌てて着替えると朝ご飯を作り食べた

そのまま鞄を持って家を出る

zm「お、おはよう」

………ん？

『え、ゾムさん……？
　どうしてここに？』

zm「いやー、一緒に行こと思ってな！
　ほら遅刻するから早よ行こや！！」

手を握って歩き出すゾムさん

『手……』

zm「ん、どうしたん？」

『いや、今日見た夢でも手握られたなって』

zm「夢？」

『そうそう、夢
　あのね……？』

zm「へー、そんな夢……
　やっぱ……」

『…？ゾムさん何か言った？』

zm「あ、ううんなんも言ってへんで！
　それよりそのゾム"さん"ってのやめてくれへん？」

『……え、じゃあなんて呼べば？』

zm「ゾムって呼んで欲しいねん」

『えぇ…』

流石に呼び捨ては……………