♡35♡ ページ36
爆豪side
「………なんで」
天喰先輩は、俺の少し向こうにいるアイツを見た気がする。先輩の「なんで」は俺とあの女どちらに向けられた言葉なのかよく分からなかった
「爆豪君、もう…彼女に関わろうとしないでくれないかな？」
俺の手首を捕む手の力が、更に込められた。痛いくらいに強い力は、振りほどこうと思っても出来ない
「………いきなりなんすか」
静かにそう言いながら、先輩を強く睨んだ。離せという意を込めてだ
なんでアイツと天喰先輩が知り合いなんだ？二人にいつから面識があった？
それに、この人が俺があの女の元に行こうとするのを邪魔するのがよく分からない
「君は……彼女を、Aちゃんを手放した。もう彼女に近づく資格は無いはずだ」
「……ンなこと、アンタに決める権利ねぇだろ」
「あるよ、今の彼女を支えているのは俺なんだから」
「は……？」
この人が言った言葉を、すぐに飲み込めなかった
いや違う、きっと理解したくなかったんだ。だから俺の頭は勝手に今の言葉を聞こえなかったフリをしようとした
天喰先輩は、真っ黒で氷のように冷たげな視線を俺へ落とした
「爆豪君がAちゃんを傷つけてから、ずっと俺が傍で支えてたんだ。涙を流す時も、暴走してしまう時も、俺が彼女の隣に居続けてた」
「アイツが俺以外の奴の所に行く訳、」
「えらく自分に自信があるんだね。もうAちゃんは、君に会いに行ってすらいないのに」
先輩はそう言うと笑った。
そんな事言う癖に、この人が一番自分に自信を持ってんじゃねぇか。アイツが俺じゃなくて先輩の方を向いてるとでも言いたいのか？
「Aちゃんは君の事を忘れて、前を向こうとしてるんだ。だから…邪魔しないでくれるかな？」
何故か俺はこう思っていた。『Aはいつまでも俺を盲目的に愛し続けている』と
だから俺が歩み寄り、プライドを捨てて謝れば前の関係に戻れると当然の様に思っていた。あの時の日常が、俺の中で当たり前だったから、アイツが俺を嫌うという想像がつかなかったんだ
俺は、どこまでも遅すぎたんだ
自分の感情に気づくどころか、Aに手を伸ばす事すらも手遅れだった。俺と彼女の溝が埋まる事はもう二度と無いのだ
「あ、そうだ」
天喰先輩は俺の手を離し、再び笑顔を見せた
「Aちゃんが今日ここに居たのは、俺を迎えに来てくれたからなんだ」
そう言って天喰先輩は、Aの元へと去っていった
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みや(プロフ) - 完結か〜嬉しいようでなんか寂し〜お疲れ様でした！この作品大好きでした (2022年12月4日 15時) (
レス) @page49 id: d14e70aafc (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年5月22日 3時) (レス) @page49 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - さいこおすぎてこうふんしてます涙よかっあら、つづきとか他きゃらもみらいです！ (2022年3月8日 2時) (レス) @page49 id: 79fe9dbf9c (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 鬼羅さん» 完結まで着いてきてくださってありがとうございました😭♡こんなイカれ主人公を最高だなんて…！ありがたすぎます🥺🥺🥺鬼羅様に楽しんで頂けて嬉しい限りです✨コメントありがとうございました˚✩* (2022年3月3日 18時) (レス) id: ff68e7370f (このIDを非表示/違反報告)
鬼羅(プロフ) - 完結お疲れ様ですぅ〜😭ストーリー最高でしたっ!!主人公ちゃんが何より可愛かった…本当にお疲れ様でした!!初コメ失礼しました🙇♂️ (2022年3月3日 3時) (レス) @page49 id: 0076feca63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒兎 | 作成日時：2022年2月20日 14時
