♡26♡ ページ27
天喰side
「その手……！？」
彼女の腕に無数の傷と、大量に出血しているのを見つけ、慌てて持っていたハンカチでぐるぐる巻きにした。たまたま持っていて良かった、使ってない清潔なハンカチだから化膿することもないだろう。
というかこんな場所、早く止血しなきゃ下手したら死ぬ可能性も……
「何かあったの…？まさかこれ、自分で…」
『そうだよ、自分で切ってたんだぁ。だってお薬が効かないんだもん。Aは悪くないよ？』
よく見ると彼女の足元には、血のついた剃刀と空っぽになった薬瓶、アルコール度数の高いお酒のゴミが乱雑に転がっていた。
「く、薬って言ってたけどこれ全部飲んだの！？」
『当たり前じゃん。Aの適用容量は1瓶だよ♡』
可愛らしく笑いながらそう言った彼女。
もしかして自分がどれだけ恐ろしい事をしているか、理解出来ていないのか…！？
「駄目だ！今すぐ出して！！！」
『ゔっ…！？』
俺はAさんの口に二本の指を突っ込むと、奥の舌の上をグリグリと押した。
彼女は俺の急な行動に頭が追いつかないようで、パニックになりながら叫び声をあげ出した
こんな量の薬とお酒を飲めば、急性中毒で死んでしまう恐れがある。死ななくても、酷い後遺症が残ってしまう可能性だってあるんだ
『ゔ…おぇぇっ……！』
彼女はびちゃびちゃと、胃の中の物を綺麗に吐き出した。酷いアルコール臭が鼻をついて、彼女が口にした物の恐ろしさが尚更身に染みた
『た、環くん何するの…？酷いよ……』
「ごめんね…でも、すぐにでも吐き出さないと、危ないのは君だから」
本来ならばこんな事をしたなら、病院で胃洗浄をしてもらうべきだ。こんなのは応急処置に過ぎない
『ゔっ…うわぁぁぁんっ！環くん、Aのお話聞いてくれる！？Aね、勝己くんにフラれちゃったの！勝己くんの運命の人、Aじゃなかったよぉぉっ…』
「！」
どうやら彼女があんな事をしていたのは、爆豪君が原因のようだった。
遂に彼の本心を理解した彼女は、その真実に押し潰され自傷行為を……
「大丈夫、大丈夫だよAさん。落ち着いて…」
『うぅ……っ！』
涙を流して嗚咽するAさん。そんな彼女を俺は優しく抱き締めた
人がフラれた傷につけ入るなんて最低だと思ったけど、彼女が苦しそうに泣く姿を見て放ってはおけなかった
「俺が、いくらでも話聞くから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 717人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みや(プロフ) - 完結か〜嬉しいようでなんか寂し〜お疲れ様でした！この作品大好きでした (2022年12月4日 15時) (
レス) @page49 id: d14e70aafc (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！今後とも応援しています！頑張って下さい！(*´ω｀*) (2022年5月22日 3時) (レス) @page49 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
心愛(プロフ) - さいこおすぎてこうふんしてます涙よかっあら、つづきとか他きゃらもみらいです！ (2022年3月8日 2時) (レス) @page49 id: 79fe9dbf9c (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - 鬼羅さん» 完結まで着いてきてくださってありがとうございました😭♡こんなイカれ主人公を最高だなんて…！ありがたすぎます🥺🥺🥺鬼羅様に楽しんで頂けて嬉しい限りです✨コメントありがとうございました˚✩* (2022年3月3日 18時) (レス) id: ff68e7370f (このIDを非表示/違反報告)
鬼羅(プロフ) - 完結お疲れ様ですぅ〜😭ストーリー最高でしたっ!!主人公ちゃんが何より可愛かった…本当にお疲れ様でした!!初コメ失礼しました🙇♂️ (2022年3月3日 3時) (レス) @page49 id: 0076feca63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒兎 | 作成日時：2022年2月20日 14時
