33話 ページ34
萩原「たっだいまー!!!」
仕事を終え、自宅に帰ってきた萩原は、いつものように笑顔でAが待つリビングに走る。
萩原「あれ?」
リビングにはAどころか電気さえ点いていなかった。
いつもなら、Aは夕飯を用意して"おかえり"と返してくれる。
たまに寝ている時もあったが、夕飯だけはちゃんと用意してくれていた。
萩原「一之瀬ちゃん?具合悪いの?」
夕飯も、電気も点いてないのは流石に妙だ。悪いと思いつつも、Aの部屋の扉を開けた。
萩原「一之瀬ちゃーん・・・・・」
一歩、足を踏み入れようとして止めた。
綺麗に整理され、あまり物の無い部屋ではすぐ分かる。Aがいない。
布団は畳まれたまま隅に置かれ、それ以降使った様子もない。
萩原「何で・・・・・」
萩原は異常に思い、松田に連絡する。
萩原「もしもし、陣平ちゃん!?一之瀬ちゃん知らない?!」
松田"んだよ、うるせぇな・・・・・彼奴なら______"
そこで萩原は今日起こった出来事を知る。
松田が死にかけ、Aが助けたこと。
Aは早い段階で松田と別れていること。
萩原「そう、なんだ」
松田"ああ、礼がしたいから暇な日教えろって伝えてくれ"
萩原「うん、そうしたいんだけどね陣平ちゃん_________一之瀬ちゃん、いなくなった」
松田"・・・・・・・・・・・は?"
きっかり5秒空いた後、信じられないとでも言うように松田が口を開いた。
松田"・・・・・説明しろ"
萩原「俺もわかんない。帰ってきたら一之瀬ちゃんがいなかった。今までこんなことなかったのに」
段々と声のトーンが下がる。今にも泣き出しそうだ。
松田"今日聞いたが、彼奴はハッカーとかやってるよな?そういう仕事じゃないのか?"
萩原「違う、と思う。何となくだけどさ、一之瀬ちゃんは陣平ちゃんと別れて何処かに消えたんだよね?」
松田"・・・・・そうだ"
萩原「陣平ちゃんが今日行ったのって観覧車に仕掛けられた爆弾でしょ?仕事が来てたなら、わざわざ観覧車にいる陣平ちゃんを助けることとか出来ないじゃん?少なくとも、俺の家からも、警察関係の建物からも遠いわけだし」
松田"なら、彼奴は・・・・・"
チッ、と舌打ちをする音が聞こえて通話が切れた。
松田の反応からするとAを捜そうとしてくれるのだろう。
萩原は荷物を持ち直して家を出た。
Aを、捜し出すために。
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黒月夜*(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!警察学校組は救済しないと精神的にキツイので、自己満足みたいな感じですが救済させてもらいました!これからも読み続けてもらえると嬉しいです! (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです 。私もすぐに道に迷います 。警察学校組好きなので救済設定なのが嬉しいです (2019年3月13日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 苺「そんなことするくらいなら、私が犠牲に……つ」 (2019年2月24日 8時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜*(プロフ) - 柊苺さん» 田中花子オブラート17世「でも、これしか道がないの・・・・・っ」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 黒月夜*さん» ??「そんなことするなっ!」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年12月26日 22時