31話 ページ32
_______Aside
真っ暗だ。
右腕も左腕も、ジクジクと熱を帯びて熱い。
痛くて、苦しい。
久し振りの大怪我。
久し振りの傷。
冷たい地面。
・・・・・あれ、冷たくない。
『・・・・・あった・・・・・かい・・・・・?』
微かな柔らかい匂い。
確かな暖かさ。
そうだ、これは人の温度だ。
『ひ、と・・・・・・・?!』
暗かった視界を無理に明るくさせ、目を覚ます。
一番始めに目の飛び込んだのは広い背中だった。
多少強引になったが、見ず知らずの人物_______恐らく男性に背負われて気分のいいものではなかったため、その背中を押し、反動を利用して地面に降りた。
最小限の動きにしたつもりでいたが、今の動作だけでも目眩がすごい。
貧血ってレベルじゃないなぁ・・・・・。
『・・・・・で、どちら様?』
歪み、ボヤける視界でどうにか相手の顔を確認しようと目を凝らす。
「んー、君を助けようとした恩人?」
コテンと首を傾げた相手から敵意も殺意も感じられない。
が、大慌てやら動揺をしてないところから、ただの一般人、というわけにいかなそうだ。
この腕を見ても平気、つまり血を見慣れている。
『そりゃあ、どうも・・・・・』
いえいえー、なんて言ってるが、どうにも内面が読めない。
くそっ、まだ視界が定まらない・・・・・!!
「君、その怪我はどうしたのかな?」
『ちょっと素敵な出会いがあっただけですよ』
嘘は言ってない。素敵な出会いがあったのは間違いじゃないからね。うん。
「へぇ?」
あ、今こいつ絶対目が笑ってない。
そういう雰囲気が出てる。
『それよりも、もう大丈夫なんで帰ってもいいですかね?』
「それは駄目かな。俺はまだ聞きたいことがあるんだ」
・・・・・めんどくさいなコイツ。
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黒月夜*(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!警察学校組は救済しないと精神的にキツイので、自己満足みたいな感じですが救済させてもらいました!これからも読み続けてもらえると嬉しいです! (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです 。私もすぐに道に迷います 。警察学校組好きなので救済設定なのが嬉しいです (2019年3月13日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 苺「そんなことするくらいなら、私が犠牲に……つ」 (2019年2月24日 8時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜*(プロフ) - 柊苺さん» 田中花子オブラート17世「でも、これしか道がないの・・・・・っ」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 黒月夜*さん» ??「そんなことするなっ!」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年12月26日 22時