24話 ページ25
ガサガサと木々をくぐり抜け、あえて一般的な道ではないところを通る。その方が面白いと信じて。
『いてっ』
ピッ、と軽く木の枝が手の甲に触れて薄く傷口ができる。そこから滲むようにゆっくりと血液が溢れだした。
痛いなんて思いながら手に目線をやる。
血がポタリと地面に落ちた。
『あ』
手の甲を見ていたはず。なのにそれを透かして血の落ちた地面が目に映っていた。
つまり、手が透けているのだ。
『・・・・・』
透明な手を見つめ、そう呟いた。
ものの数秒で手の透明化は終わり、Aの手はいつも通りの肌色に戻っていた。異常も無い。
少しだけ悲しそうな顔をしたが、次の瞬間にはもう前を向いて歩き出す。今のAを見れば、先程のは見間違いなように思う人もいるかもしれない。
だが、確かにAは悲しそうな、泣きそうな顔で立ち止まっていた。
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黒月夜*(プロフ) - レモンさん» ありがとうございます!警察学校組は救済しないと精神的にキツイので、自己満足みたいな感じですが救済させてもらいました!これからも読み続けてもらえると嬉しいです! (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - はじめまして、すごく面白かったです 。私もすぐに道に迷います 。警察学校組好きなので救済設定なのが嬉しいです (2019年3月13日 19時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 苺「そんなことするくらいなら、私が犠牲に……つ」 (2019年2月24日 8時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜*(プロフ) - 柊苺さん» 田中花子オブラート17世「でも、これしか道がないの・・・・・っ」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
柊苺(プロフ) - 黒月夜*さん» ??「そんなことするなっ!」 (2019年2月23日 22時) (レス) id: 30ac6fcd11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年12月26日 22時