江戸川乱歩:ビー玉 ページ10
乱歩「コレAの目と似ている色だし、あげるよ」
いつだったか、何気ない日常で手に入れた赤いビー玉を空に向けて覗き込む。
『・・・綺麗だなー』
一人静かにそう呟く。
ここには誰も来ない。この場所はとっくに人々から捨てられた廃墟の一部屋なのだから。
『彼には私の目がこう見えていたのかーへぇー』
くるくると角度を変えながら間の抜けた声を出す。
『うーん・・・わかんないなー』
ビー玉は綺麗でも、自分の目は赤く染まった血の色だ。
どこが"似ている"ものか。
『んむー？』
首を傾げるが、答えは出ない。
_____Prrrrr・・・
『お？もしもしー？』
_____"A！！貴様は何処にいる！仕事が山積みとなって・・・"
『あー、ごめんね国木田さーん。私、探偵社を裏切ったんだー。この電話も破壊するし、私の痕跡は無いからーじゃあねー』
手慣れた様子で返答も聞かずに電話を即座に切る。
『結構探偵社も面白くなかったなー』
何故裏切ったのか、と言われれば、Aは元より色々な場所を転々とし、面白くなくなった途端に辞める。そういう"遊び"を繰り返していたのだ。
当然正体がバレることを避けるため、面白くないと思い始めたら痕跡を消すことは当たり前。
『つまんないこととか嫌だしー？子供だって飽きれば玩具を捨てる、それと同じだよー』
Aは生来"面白い"と思ったことがない。
だから探す。本当の"面白さ"を。
面白くなければ生きているとは思えない。
それがAが感じ、思っていることだ。
『これも捨てないと。痕跡を無くさないと』
赤いビー玉を指でピシリ、と割る。
バラバラになった欠片が手から溢れ落ちた。
『あははー、"いらっしゃい"』
狂気とも似た笑みで扉を見つめる。
乱歩「僕から逃げようだなんて、出来るはずないよ」
『おやおやー、それは素敵な告白ですねー』
"でもお断りしますー"と軽々しく_________
"嗤っていた"
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか！！そしてまさかのBlu-rayの予約・・・！？ (2019年3月13日 23時) (
レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます！！ゆ、遺言！？死なないでください！！というより、遺言がそれでいいんですか？！ (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒月夜 | 作成日時：2018年5月10日 21時
