江戸川乱歩:希望 ページ43
それは何時だったか。
江戸川乱歩は突如として亡くなった。
探偵社は解散し、互いに連絡は取れない状況が現在だ。
『みんな何処にいるんでしょうね？』
乱歩「さぁ？僕は教えないよ」
Aは、隣を歩く乱歩に問い掛けるが、乱歩は知らん顔で飴を頬張る。
『解散から数年、まだまだ子供の私には生きづらい世の中なんですよねー』
Aが探偵社に所属していたのは１２歳の時。天才と崇められた少女であり、乱歩の助手や、書類整理、暗殺、依頼されるがままにどんな仕事でもこなしてきた。
乱歩「十分生きるだけのことは備わってるはずでしょ？何言ってるわけ」
『年齢的な問題なんですってばー』
ガックリと肩を落とす姿勢をするが、乱歩は無視して先を歩く。
『ちょ、乱歩さん置いていかないでくださいよー！！』
乱歩の足が止まった。
乱歩「ねえ、もう止めにしない？」
『？何がですか？』
乱歩「僕は"乱歩さん"じゃない。江戸川乱歩は死んだんだよ」
どう見ても、彼は"江戸川乱歩"そのものだ。
真っ直ぐAを見つめる緑色の眼が恐ろしくて目をそらす。
『な、にを言ってるんです、か・・・・・？貴方は、江戸川乱歩、でしょう・・・・・？』
乱歩「違う。僕は君の異能力。君が作り出した幻覚だ」
『違う、違う違う違う！！！貴方は江戸川乱歩だ！！私が助手をしていた探偵だ！！！』
耳を覆い、目を瞑る。
"彼"が言っていることは真実で、それを認めたくはなかった。
『貴方は死んでなんかいない！！！』
乱歩「・・・・・・・・・時間切れだよ、A」
乱歩の姿をしていたAの異能力。それが徐々に歪んでいく。
『あ、ああ、ああぁ・・・・・・！！』
終いには何も残らなくなった場所を見つめ、涙を流し、狂ったように笑いだした。
『あは、は・・・・・消えちゃった・・・・・』
漸く現実を受け入れたのかと思えば、自身の頭に拳銃を突きつけた。
『私、貴方がいない世界で生きていけるわけないのに・・・・・』
かろうじて異能力で乱歩の幻覚を作り出していたから保っていた精神が壊れた。
もしこの場に探偵社の誰か一人でもいたのならば、Aを止められたかもしれない。
だが、"もし"はない。
『死にたいわけじゃないんです、ただ、貴方の傍にいたい』
_____きっと会えますよね、乱歩さん？
迷うことなく、自分の頭を撃ち抜いた。
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか！！そしてまさかのBlu-rayの予約・・・！？ (2019年3月13日 23時) (
レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます！！ゆ、遺言！？死なないでください！！というより、遺言がそれでいいんですか？！ (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒月夜 | 作成日時：2018年5月10日 21時
