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ルーシー・モード・モンゴメリ:足跡 ページ36

『私もこの場所から出ていくよ』



モンゴメリが発動させた異空間内、慌てて逃げ出した一般人のなかで最後に残ったAはそう告げる。




モンゴメリ「あら、勝手に出ていけばいいものを・・・・・」




"アン"が今にもAを捕まえようと構えていた。




モンゴメリ「ま、貴女を捕まえたところで何の得にもならないけど」




動じないAを面白くなさそうにしながらアンに視線を向ければ、アンも"わかった"と言うように構えるのをやめた。




『ああ、私は悪いことをしているわけでないから、出ていくことについて謝らないよ』



『ただ、貴女は可哀想だ』



モンゴメリ「・・・・・は?」




モンゴメリの目が見開かれ、怒りが表に滲み出る。




『私がこの場所を去れば、貴女は1人。この場所にいた、というだけでなく貴女の存在も忘れられるんだよね?それって、悲しいことだと思わない?』




目の前にいるのはただの少女、なのに何故か男性のようにも、老人のようにも、幼児のようにも、少年のようにも、自分自身のようにも思ってしまうのか。



モンゴメリは訳がわからなくなり、フラりと膝をつく。その顔には怒りはとうに無く、恐怖が浮かんでいた。




『私が怖い?』



ハッとして顔をあげれば、少女が上から自分を見下ろしてきた。




_____駄目だ。こいつは駄目。一刻も早くこの場所から追い出さないと。




考えていても、思っていても、どうにも力が出なかった。




『あらら、脅かしすぎたかな?』




少女は出口に向かう。



扉を開ける瞬間、少女はモンゴメリの方へ振り向いた。




『そうだ。私だけは貴女を覚えておくよ。"一般人"のなかではね』



『またね、赤毛の可愛い女の子』



バタン、と閉まる扉。



なんてことだ。同情されたのかはわからないが、嫌な奴に覚えられてしまった。



それなのに。それなのに、覚えていてもらえる、誰かの記憶に残れる、と感じる自分がいた。



モンゴメリはまだ恐怖に震えながらも、そう思ったのだった。

太宰治:異常→←エドガー・アラン・ポオ:百に一度の気まぐれ



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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時

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