【文スト】もしも貴方が世界から消えたとしたら【短編集】

夢野久作:謝罪 ページ33

_____夢野side


お姉ちゃんはね、ぼくの大好きな人なんだ。



『久作、おいで』



Ｑ、と呼ばないで、本当の名前を呼んでくれるんだ。



夢野「お姉ちゃん！」



優しいお姉ちゃん、大好きなお姉ちゃん。


望まない異能力を止めてくれるお姉ちゃん。


お姉ちゃんは、太宰さんとは少し違うやり方で異能力を止めてくれる。


異能力を自分の体内に吸収するんだって。


無効化とは違うし、異能力が強ければ強いほど痛いんだって。


でも、ぼくの異能力が暴走したとき、痛そうにしながら笑ってくれた。



『大丈夫だよ。痛くない』



って。


嘘つき。ぼく、知ってるよ。死にそうなくらいなんでしょ？大丈夫なわけないでしょ？


・・・・・そう言いたいけど、お姉ちゃんはそれを望んでないから云わない。


ごめんなさい、お姉ちゃん。









お姉ちゃん。Aお姉ちゃん。


ぼくのために脱出を計画したお姉ちゃん。


ぼくが外に出たいと言ったから、自由になりたいと願ったから。


お姉ちゃんは殺された。逃げ出す途中で殺された。



『久作、自由になって・・・・・』



お姉ちゃんが死ぬ間際に言ったこと。


それも大切だけど、おかしいよ。


だってお姉ちゃんの計画は完璧だった。


それを覆す程の人物なんて、ぼくが知っている首領と太宰さんしかいない。


・・・・・後から知った。ぼくの思った通り太宰さんだった。


太宰さんがお姉ちゃんの計画を知ったから、お姉ちゃんを殺した。



許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない！！！



そして、ごめんなさい、Aお姉ちゃん。



ぼくは異能力を発動させた。


被害は大規模で、それも太宰さんに止められた。


お姉ちゃんがいない世界なんて、いらないのに。


ぼくも世界を壊してお姉ちゃんのところに逝きたかったのに。



お姉ちゃんごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。

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