旧双黒:憧れだった2 ページ27
意外なことに、中也はすぐに電話に出た。
太宰「やあ中也。突然だけど昔話でもしようじゃないか」
中也「"切るぞ"」
不機嫌な声が電話越しに伝わってくる。
太宰は慌てる素振りをすることもなく、静かに口を開いた。
太宰「霧雨A、覚えているだろう?」
中也「"忘れろっつーほうが無理な話だな。で、何のようだ"」
太宰「いやぁなに。彼女ってさ、いつも私達を見下してたよね〜って話」
訓練、任務、書類作成、その他にも沢山。Aに馬鹿にされていた思い出がある。
太宰「そう言われるほど強くなったよね。私達」
中也「"兎に角ムカついてたからな"」
太宰「でもさ、今思えば彼女の優しさだってわかるんだよね。それに、何だかんだ私達の憧れでもあったんだよ」
太宰の声が震える。段々を目には涙が溜まり、こぼれだした。
太宰「何で、何であの言葉に気づけなかったんだろう・・・・・、何で私達は殺すことであの人を越えられると、馬鹿な勘違いをしてたんだろう・・・・・・・!!」
中也「"わかってんだよ、そんなことは!!!俺が、俺達が、殺しちまったんだ・・・・・・・!!"」
ずっと、自分達が死なないように鍛え、マフィアの最善へ導き、少し腹が立つ喋りだったけど明るい笑み。
確かに憎かったけど、憧れていて、嫌いだったけど、大好きだった。
二つの黒は涙を流す。
憧れを殺した自分達の戒めに、何度でもこの話を繰り返す。
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黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時