森鴎外:人間ごっこ ページ25
絹のような黒髪に、透き通るような白い肌、硝子玉みたいに大きな黒い目。
よく見かける表現だが、彼女はまさにそれだった。
森「Aちゃんは今日も可愛いねぇ」
『首領、12歳までではなかったのですか』
森「Aちゃんなら、何歳でもいいさ」
_____たとえ、私よりも年上でもね。
『首領、』
Aの視線が鴎外に向けられる。
それが面白いかのように鴎外は笑った。
森「本当のことだろう?君は私が生まれるよりもずっと前から存在していた。成長もせずにね」
『・・・・・そうですが、何か』
森「いや、なに。君は死なないのだな、と思っただけだよ」
嘘つき、とAは悪態をついた。
『"君とは長い付き合いだけど、老いもしなければ死ぬことなんてない。化け物みたいだね"とでも云いたいのでしょう?』
森「わかってるじゃないか」
Aの無表情と、鴎外の嘲笑するかのような表情が交わった。
森「君のことを詳しく聞くつもりはないけど、君は人間ごっこがそんなに楽しいのかい」
『・・・・・マフィアの首領様は"人形"がお嫌いで?』
森「まさか。大好きだよ」
『ならば、そういうことです』
答えになっていないが、これ以上は彼女が答えてくれそうにない。
日々聞いている質問だが、確実に"彼女の正体"へと近づいている。
それが楽しくて仕方がない、と鴎外は静かに目を細めた。
森「やっぱり、面白いねぇ」
『それはどうも』
121人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒月夜*(プロフ) - 七海@月と星−−君と幸福な世界さん» 駄作なわけないじゃないですか!!そしてまさかのBlu-rayの予約・・・!? (2019年3月13日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - コメントありがとうございます!!ゆ、遺言!?死なないでください!!というより、遺言がそれでいいんですか?! (2018年12月13日 22時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
河童系人間。(プロフ) - むり…尊い…すき……(遺言) (2018年12月13日 20時) (レス) id: 66413608c9 (このIDを非表示/違反報告)
黒月夜(プロフ) - ハニーさん» あ、なんかすみません・・・・・( ・−・) (2018年11月22日 23時) (レス) id: f34cbf336c (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 澁澤さんの童話むり…しんどい…(´Д` ) (2018年11月22日 10時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒月夜 | 作成日時:2018年5月10日 21時