【文スト】もしも貴方が世界から消えたとしたら【短編集】

マフィア&探偵社:続かない道 ページ22

_____Aside



私は探偵社員であり、マフィアである。


結論から言うと、どちらでもあり、どちらでもない。


そんな私は、両組織を裏切り、始末した。


私の異能力は無効化以上の強さを持つ。


だから呆気なく終わってしまった。



『呆気ないとはいえ、さすがに強大な二つの組織を相手にしたんだし、わりと面白かったよ』



探偵社とマフィアが協力し、私に向かってきた。


とてもとても、楽しかったんだ。



『んじゃ、私は元の居場所に帰ろうかな』



二つの組織ではない、自分の居場所へ。


そう思って踏み出した。



『あれ？』



踏み出した先に、道は無かった。


あるのは闇だった。


後ろを振り返れば、二つの組織にいた私がいる。



_____ああ、そうか。




そこで気がついた。


私の居場所は、その二つだったことに。


もう、自分がどこにも行けないことに。



『あーあ』



自ら捨ててしまったこの二つ。


私は殺した仲間"だった"者達も見つめて呆然とした。

中原中也:未来へ→←樋口一葉:失ったものは

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す