春、僕らは恋をする。【オリジナルBL】 (ページ6)

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『大丈夫なの？君凄い追いかけられてたけど。』

「＿＿!!_______!!」

何かを言って笑った。

嫌味かな？

最近はこういうやり口のいじめが流行ってるのかな？

まぁいいや。

どうせ忘れてるんだろ。

こんなこと滅多にないからな。

『僕は耳が聞こえません。筆談お願いします。』

もう一度あの紙を見せた。

喋ってる最中だったみたいだけど生憎僕には聞こえないから無視した。

『紙に書かないと分からないから。』

別の紙に書いて見せた。

「…!!_______!!!」

またやってる。

聞こえないのに。

『さっきはごめんな！ありがと〜』

字が凄い汚い。

別に読めないわけじゃないけどパッと見呪文かと思うくらい。

自慢じゃないけど僕の字は綺麗だ。

こんな耳に喋れない口。

特にこれと言って突出した部分がない僕はとりあえず誰でも見たらわかる字を練習した。

筆談が必要なのに字が汚いのは論外だからね。

『大丈夫です。こういう事がないわけじゃないんで。』

ちなみに書くのも早い。

時々長文書かなきゃいけない時もあるからそれも練習した。

案外人間やればできるもんだな。

男の子が次の文章を書いてる時病室の扉が開いた。

『要…そいつ知ってる人？』

今1番来て欲しくない人が来ちゃった。

基本的に病室の出入りは禁止。

ましてや逃げてきた少年を匿っているこの状況はとてもやばい。

ん？でも名前知らないし…。

知らない奴で良くないか？

『知らない』

書いていた文章をぐりぐりと塗りつぶし増し増しの雑さでまた書き始める男の子。

『お前ひどいな〜』

酷いが分からなかったのか漢字を書こうとして辞めた跡がある。

書けないのか。

ってそれが普通なんだよな。

まだ書ける歳じゃないって事だよな。

『本当に知らないのか？』

なんか海先生雰囲気が違う？

気のせいか。

『ん』

短い返事だけどこれで分かってくれるのが海先生のいい所。