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疾風side
海兎兄から連絡を貰った後自然に会うための作戦を実行しようとしていた。
作戦と言っても別にそんな大掛かりなものじゃない。
俺はAと同じ学校だということをふんだんに利用した。
｢今行くよ、A。｣
病院についてからは散々だった。
Aのいる病室分からないし、よく怪我の手当してくれた看護師さんに凄い話しかけられたし。
結構時間食った……。
そしていよいよAがいる病室へ辿り着いた。
ｶﾞﾗｯ
｢こんにちは、A君。｣
Aはビクッと肩を揺らして驚いた。
｢ﾋｯ……、誰、ですか……。｣
やっぱりそうだよね。
分かってはいたけど心にくる。
｢俺は柊疾風。A君と同じクラスなんだ。よろしくね？｣
｢え？ぁと……はい。｣
まずは話してくれた。
それだけでも嬉しい。
｢早速なんだけど……俺と友達にならない？｣
｢え……。でも僕なんかと友達になったら傷つけるから……。｣
｢友達はそれを乗り越えるから友達って言うんだよ。｣
俺がニコッてすると安心したのか少し顔が綻んだ。
｢……本当にいいの？後悔しない？｣
｢しないよ。｣
｢ほんと？｣
｢うん、ほんと｣
｢わ、わかった！これから、友達、ね！｣
ニコッと微笑んだAは凄い可愛かった。
｢可愛いね、A。｣
つい可愛いと言いながら撫でてしまった。
可愛いAが悪い……。
｢かっ…?!可愛くなんか……！｣
｢半分冗談で半分本気……♪｣
Aをからかえる日がまた来て嬉しい。
記憶さえなくならければ……。
なんて事を考えながら俺の胸板を｢もー！｣と言いながらポカポカ叩くAをそっと見下ろした。
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作者名：クロスケ | 作成日時：2019年3月25日 1時
