春、僕らは恋をする。【オリジナルBL】 (ページ36)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:11,940 hit

story35 ページ36

命を賭けた大手術は無事成功した。

俺は疲れきって寝落ちたみたいだけど海兎兄はずっと起きていたらしい。

でも俺にとっては複雑だった。

Aがまた元気に生きられるってなって嬉しいはずなのに、心の隅に手術なんて受けさせなければよかったなんて思う気持ちも少し残っていたからだ。

最低だ……。

｢疾風、Aは大丈夫らしい。記憶の事以外は特に問題ない。｣

｢そっか、良かった。｣

｢お前はこれからどうするんだ？｣

｢これから？｣

｢約束したんだろ？｣

｢……自然に会うようにする。学校も同じだったし。またAを落とす。｣

｢ま、頑張りたまえ。｣

そう言ってAの病室に向かう海兎兄。

｢Aが起きたら連絡しろよ!!｣

｢んー、するかもしれないししないかもしれない。｣

｢は?!?!｣

｢嘘に決まってんじゃん。また騙されてるー。ぷぷー。｣

くっそ!!2回も!!同じ手で!!やられた!!やっぱりムカつく!!

｢ま、ちゃんと連絡するから。今日は安心して寝ろよ。｣

｢わかってる。海兎兄もちゃんと寝ろよ。｣

そう言い残して病院を出た２日後、Aが目を覚ましたと海兎兄から連絡があった。