story27 ページ28
疾風side
俺はAと結ばれた。
そして俺は言われた通りAと遊びに来た。
お昼の時はちょっと邪魔が入ったけど旧友と会えたしAが恋人だって自慢できてちょっと嬉しかった。
Aが遊園地に行きたいって書いた紙を見せてきた時は一瞬そんな所でいいのかって思っけどAが目をキラキラしてこっちを見ていたから他を提案できるはずもなく上機嫌で遊園地に向かった。
遊園地についてからは時間を忘れて遊び呆けた。
Aも今まで1番楽しんでたはず。
でも途中から俺は心から楽しむことが出来なかった。
Aに手術の事をいつ伝えよう、どう伝えようとつい考えてしまう。
Aがどう考えているのかは聞いたことがない。
聞けるわけが無い。
あんなに可愛くてどこから見ても元気な少年が来週死んでしまうかもしれないなんて。
検査入院は後1日。
手術を受けるか受けないか決めるのは今日まで。
俺は観覧車の中で夢から現実へ引き戻すことにした。
「……A。あのな、聞いて欲しいことがある。」
『どうしたの?』
俺の表情を見て今から話すことが明るい話じゃないと察したのかAから笑顔が消える。
「Aは海兎兄から手術の事聞いてる、よな?」
『聞いてるよ。』
「その事どう思ってるか聞いてもいい……?」
ゴンドラの動く音がより一層雰囲気を醸し出していた。
『正直ね、まだ迷ってるよ。僕が居なくなるとハヤテが1人になる。けど、例え手術が成功しても僕はハヤテを忘れる。』
『どっちも、嫌だよ。』
2枚目の紙には灰色の染みが出来ていた。
慌ててAの顔を見ると目から溢れんばかりの大粒の涙が零れ落ちていた。
声をあげることなく泣いていた。
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作者名:クロスケ | 作成日時:2019年3月25日 1時