春、僕らは恋をする。【オリジナルBL】 (ページ23)

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あの後僕達は海先生に伝えて外へ遊びに行った。

いつぶりだろう、友達と遊びに行くのは。

もしかしたら初めてかもしれない。

ましてや恋人なんて出来たことないから他人と遊ぶのは恐らく疾風が初めてだ。

「A、どこ行きたい？」

『どこでも！』

「んー、じゃあ先にお昼食べとくか！ちょっと早いけど混むよりかはマシだろ。」

『うん！』

僕は昔から家に帰ると外出禁止。

休みの日も皆が元気に外で遊んでいるのを見ながら親の言うことをひたすら聞いていた。

僕も外で遊びたいと１回だけ言ったことがある。

でもその時返ってきたのは優しい声じゃなくて力の籠った握りこぶしだった。

小さいながらもその行動の意味を理解してずっと我慢していた。

だから今こうして大好きな人と遊べるのが他の何よりも嬉しいんだ。

「A、頼むもの一緒でいい？」

『いいよ！』

本当はメニューなんて見ても分からなかったが
、疾風が頼むものなら大丈夫だろうと頷いた。

「あれ、もしかして疾風？」

店員さんに注文を頼んで待っていると知らない男の子が疾風に話しかけてきた。