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story11 ページ12

『A、迎えに来たぞ。』

『うん』

次の日、疾風は来なかった。

彼奴が来ないなんて知ってる。

昨日海先生が言ってたじゃないか。

疾風が僕のことを好きになるわけがない。

そんなことも知ってる。

全部全部知ってるんだ。

でもたった2日でも、疾風が居ないとこんなに病室の空気が変わるなんて思わなかった。

『A』

ポンと肩を叩かれて振り向くと海先生がメモを持って見せてくる。

『何?』

『泣いてる』

嘘。

海先生が言ってくれるまで気づかなかった。

本当、僕は2日でこんなに疾風にのめり込んでたんだね。

バカだな、僕は。

離れていくのも分かってたはずなのに。

『検査終わったら話聞くよ』

『ありがとう』

さっと書いて見せる。

こんなに字が荒れるのは久しぶりだ。

▼▼▼

『遅れてごめん、A』

『大丈夫、承知の上で頼んでるから。』

海先生絶対僕に隠してることある。

何かは分からない。

けど多分検査のことだと思う。

だからそれを聞いて疾風は僕の元から去った。

あくまでも予想、だけどね。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:クロスケ | 作成日時:2019年3月25日 1時

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