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あれから暫くたった。目が覚めると、時計は午後五時を指していた。私は仮眠を取る事に向いてないらしい。寝不足だったせいかつい五時間も寝てしまった。
明日の朝食を買うついでに、この街の地形を理解出来るようにしようと決めた。少し肌寒かったので、上着を羽織って家を出る。
暫く歩いていると、人通りの多い通りに出た。コンビニを探すべく、キョロキョロと辺りを見回しながら夜の街を歩く。
すると、横を向いて歩いていたせいか、通りすがりの男性と肩をぶつけてしまった。
『あ、すいませ……』
!?
私はその男性を見た瞬間、声にならない悲鳴をあげた。
―――ジンとウォッカ!?
二人の男性は何処からどう見ても黒の組織の人物だった。特徴的な黒服だからよく判る。
「ああ?何じろじろ見てんだ手前ェ」
『あ……いえ、何でも』
「次はねぇぞ。気をつけろ」
そう言ってジンは……カチャリと黒い物を私に向けた。
___拳銃!?
え、待って。通りすがりにぶつかっただけで拳銃向けられるの?
怖すぎでしょ。
驚きすぎて、心臓が止まりそうになった。しかし、指先がピクリと動いただけであった。
私は関わりたくない一心で、謝罪をしてから歩き始める。
「……おい、ちょっと待て」
___はい??
「お前……何故拳銃を見て驚かない?」
『……は』
思わず変な声が漏れた。
……心の中では十分驚かさせて頂きましたが?
「まさか手前ェ、裏組織の人間か?」
『え、違います』
何故自分が引き止められたか理解できず、Aは固まった。ジンは睨むようにしてAを見、そしてガシリと腕を掴んだ。
『……え?』
「怪しいやつは野放図に出来ねぇからな。ついて来い」
はああ!?
『ちょ、意味判らない!私はただの一般人だってば!』
腕を振り解こうとするが、やはり男の力には敵わず、ずるずると何処かへ引きずられていく。
私はこのままでは確実に殺されると思い、咄嗟に思いついた事を叫んだ。
『……誰か!!誰か助けて!!』
「チッ……」
すると、周りにいた民衆の目がこちらに注目した。やはり目立つのは避けたいのだろう。ジンは腕を離して、ウォッカと共に静かに消えた。
『助かった……』
私はその場で座り込んだ。
___やっぱりこの街、危険すぎる。
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Yu?(プロフ) - お話すごく面白いですっ!一気見しちゃいましたよ笑!一つ質問なんですけど、これ名前って変えられないタイプですかね? (2023年1月28日 10時) (レス) @page24 id: 96e4dc2d5b (このIDを非表示/違反報告)
#ゆるめぁ(プロフ) - シオンちゃん大好き!!さん» マジですか!?嬉しいです!!更新が不定期ですがお話は進めていくつもりなので暖かく見守ってほしいです(*´-`) (2020年1月12日 18時) (レス) id: a4a4e4bd2b (このIDを非表示/違反報告)
シオンちゃん大好き!!(プロフ) - お………お……………面白いィィィィィイッ!!! (2020年1月7日 5時) (レス) id: 626da14d5b (このIDを非表示/違反報告)
#ゆるめぁ(プロフ) - のん@天使から墮天使のウオタミ(?)さん» このままフラグ回収なるか!?いやそうとしか考えられない!笑 応援ありがとうございます。これからどんどん更新していくのでよろしくお願いします! (2019年3月19日 8時) (レス) id: 970964fd31 (このIDを非表示/違反報告)
のん@天使から墮天使のウオタミ(?) - 夢主ちゃん、盛大なフラグ建設したけど大丈夫なのか?見事に回収しそうな展開…(なんかネタバレ(?)してない!?)続きがめっちゃ気になる…。作者様も色々あるかと思いますが頑張ってください!応援しています! (2019年3月18日 22時) (レス) id: 5bc91f0494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:#ちゃむ x他1人 | 作成日時:2019年1月5日 20時