【名探偵コナン】悪役系女子の私がトリップした件について

#25 ページ25

メアside


『へぇー、ここが探偵事務所か』

「うん。お父さんはいつもここで依頼を受けてるの………っていうか、園子は着いてこなくても良かったのに」

「いいじゃん別にぃ〜私もメアと話してみたいって思っててしさ」


園子はにしし、と笑った。




階段を上がっていくと、金属製のドアが目に入った。ここが蘭の家でもあり、あのコナン君の住処でもあるらしい。


「ただいま〜……って、もうお父さん！またこんな時間からお酒飲んで！」


蘭の目線の先には、お酒を飲んでべろべろに酔った毛利小五郎がいた。この人をいつも世話している蘭を思うと、少し同情の気持ちが湧いてくる。


「んあ？なんだ蘭かァ。後ろにいるのは……」

『蘭の友達の相川メアです。今日は名探偵の毛利さんに会いたくてここに来ました！是非サインを頂きたいんですが……』


私が胡麻をするように"名探偵"を強調すると、小五郎は起き上がって調子のいいようにこう言った。


「だははは！名探偵のサインが欲しいのは仕方ない！！ほらお嬢ちゃん、大事にするんだぞォ」


そう言って金ピカの名刺にサインする小五郎。それが後でゴミ箱行きになるのも知らずに、メアに渡した。


『ありがとうございます！毛利さん』









「あれれー？この前のお姉さんだ！」


急な寒気。

後ろに感じるあの視線。

もしかしなくともあいつだ。


『……小学生は外でサッカーでもしてろっての……』


私がボソリと呟くと、今度は園子が追い払うようにこう言った。


「ほら、ガキんちょは外にでも行ってきな！私たちはこれから女子会すんだから、邪魔すんじゃないよ」

「女子会？」


蘭が疑問の声を上げる。


『蘭と園子の恋バナだよ！ほら、噂によると蘭には探偵の彼がいるんだっけ？』

「あ、あんなの彼氏でもなんでもないわよ！ちょっと園子、メアちゃんに変なこと吹き込んで無いでしょうね？」


2人が話をしているのを他所に、私はコナン君の方をちらりと確認した。何故か顔を赤らめて動揺している。


よし……計画通り。

あとはこいつが着いて来ればいいだけ。


「んじゃ、今からポアロでもいく？そこで女子会しましょっ！」

「もー、園子ったらー！」

『行こいこー！』







「待って！僕も行く！」

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