【名探偵コナン】悪役系女子の私がトリップした件について

#18 ページ18

『………なあに、僕』

「ねえお姉さん、たしかこの前僕と会ったよね？」


お願いです安室さんの目も痛いしとても気まずいので帰らせて下さい。


『人違いです』

「え〜、でもこの前脚を怪我してた人に似てる気がするんだけどなあ」


何で１ヶ月経っても覚えてるんですか。普通その辺歩いてるモブの顔なんて覚えないよね？


『兎に角人違いだからその腕離してくれるかな？結構痛いんだけど』


私がそう言うと、様子に気づいた蘭ちゃんがコナン君を抱き抱える。


「すみません！ほらコナン君、お姉さん困ってるじゃない」

「ご、ごめんなさい〜」


お前は彼女とイチャイチャやってろ、と思いながら、私はやっとのことで店を出た。折角朝食を食べようと思って来たのに食べそびれちゃったじゃん。どしよ。コンビニよるかー。
私が店を出て直ぐ、後ろから誰かが走ってくる気配がした。それがどうということもなく、コンビニ目指して脚を速める。


「あの、！」


肩をぱしっと捕まれ、私が振り向くと、そこには先程の店員＿＿＿安室さんがいた。


「すみません、先程何も食べていかれなかったので、差し入れ程度にサンドウィッチを持ってきました」

『あ、ありがとうございます』


え、何、この前とは比べ物にならないくらいの優しさは。

バイト中だったこともあり、安室さんには直ぐに帰って貰おうとしたが、彼のご好意で近くの公園に寄ることにした。

その公園のベンチに二人で腰掛け、安室さん特性のハムサンドを一口かじる。


『おいし……』

「本当ですか、ありがとうございます！」


関わりたくなかったこともあり、嫌われるような反応を取ろうと身構えていた私だったが、あまりの美味しさについ本音を言ってしまった。


「ところで………」


無言でハムサンドを食べ進めていた私に、今度は安室さんから話し始めた。


「紹介が遅れましたね。僕は安室透といいます。貴女の名前をお聞きしてもいいですか？」

『……相川メア、です』


私は口元をハンケチで拭きながら、静かに答えた。名乗ろうか迷ったが、朝食も提供してくれた彼の質問に答えない訳にはいかなかった。


「単刀直入に聞きますが＿＿＿」


ばっ………、





「＿＿＿貴女、この前のバーでお会いしましたよね？」

『ッ、』

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