【名探偵コナン】悪役系女子の私がトリップした件について

#13 ページ13

ある日の朝。私は目覚まし時計の音で目が覚めた。今日はこの世界に来て初めてのバイトをする日。軽く欠伸をしてアラームを止め、何時もの服装に着替えた。

バイト先は、マンションをでて10分の場所。バイト服に着替えた私は、まず自己紹介をした。


『相川Aです。早く仕事を覚えられるよう頑張りますので、よろしくお願いします』


その後は、思ったより簡単だった。

オーダーを取ったり食器を洗ったりと働くくらいで、特に困ったことは何もなかった。

―――ただ一つを除いては。


『店長……猫耳カフェにするなんて聞いてませんよ』

「あら、ごめんなさい。貴女に伝えるのを忘れていたわ」


そう言って、にっこりした笑みを返す店長。ああ、一発殴ってやりたい。

これを着けるのは屈辱だけど、やらなきゃお金は貰えない。今後の人生の為だと自分に言い聞かせた。


『お帰りなさいませ。ご主人様』

「ああー、ダメダメ！もうちょっと笑顔で！」

『お、お帰りなたいまてっ。ご主人様！』


ああ、盛大に噛んだ。


「少し微笑む感じだよ。そうそう、良くなった！じゃあその調子で行ってこい！」

『ええっ』


私は先輩に押し出され、今来店したお客様の目の前に立った。


『お帰りなさいませ！ご主人様。今日は何になさいますか？』




もう、このバイト止めよう。


一瞬でそう思った。

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