32話 ページ33
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「橙山!」
バックチップを防がれて緑間くんにシュートを入れられればスローインでボールを手にする。ドリブルをして少し前に出るが秀徳はハーフコートから守る気でいるらしくオールコートでディフェンスを仕掛けてはこない。
そりゃ緑間くんみたいにオールコートで何かするやつなんていないって思うわな。
「.....入ればいい。そう、入ればいいんだ」
深呼吸をして、一瞬だけ。
そう一瞬だけ無我に入ればいい。
ゴリゴリのパワープレイ“波動球”でな!
俺がぶん投げたボールはけたたましい音を上げてバックボードに当たり跳ね返ってリングに勢いよく入った。
「なんだあいつ!?あれもシュートかよ!?」
「〜〜っっってえええ!!!」
やったことなかったけど、威力高すぎな。百八式まであるけど俺ができるのは三十前後。
腕全体が痛い。特に手首。タイムアウトを取ろうとする監督に俺はジェスチャーで大丈夫だと伝えすぐさま守備へと入った。
黒子くんが近くにきて『橙山くんが一瞬光ったように見えました』って聞いて来たけど、光った云々には触れない。話が長くなる。
「うっひょ〜何あれ、無茶すぎねえ?」
高尾くんにそう言われながらもディフェンスに徹する。そんなもんわかってるよ俺が一番。
“無我の境地”
他の奴らは体力の消耗が激しいくらいでピンピンしてるのに、俺はそんなにヤワじゃないのか体に支障をきたす。そんなに乱用はできない。
「どんな手を使っても、いくら返したところで俺のシュートは止められない」
なんとか先輩達との連携でシュートを決めるが緑間くんのシュートが止められない。3連続で入れられてしまった。心がおられそうなこの状況下でも火神くんは飢えた獣のように強敵と出会えたことに喜んでいるのか笑っている。俺だって
「君たちの思うように簡単に折れたりはしない」
15対24で今やっても逆転なんてあるわけないけど、このまま前半終了なのも癪だしな。
俺は心まで負けるつもりはないと意思表示も含めてもう1度“波動球”お見舞いしといた。
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ZERO(プロフ) - 話めっちゃ面白いです!!質問なんですが、もう更新はしない予定ですか?? (2023年3月14日 22時) (レス) id: 9cf90e2809 (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - 成類さん» 返事遅くなりました!はい同い年です! (2022年4月23日 6時) (レス) id: 66aa2da0c7 (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 一つ質問なのですが、手塚や幸村、跡部たちと同い年ですよね? (2021年8月28日 20時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - プラタナスさん» コメントありがとうございます。そうなんです。テニス界は別次元すぎて...そこの境目が出過ぎないように楽しく書いていきたいと思います!面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年7月20日 8時) (レス) id: ca079dae55 (このIDを非表示/違反報告)
プラタナス(プロフ) - テニス界にいたならスタミナ切れで負ける事無いですし、ジャンプ力もネットの上余裕で超えれるので普通に強いプレイヤーですよね(笑)夢主がバスケとテニヌでの常識が全然違って驚いてるのが凄い面白いです (2021年7月18日 9時) (レス) id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅうぶら | 作成日時:2021年7月5日 16時