28話 ページ29
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「っ〜〜、はえ〜」
そういいながら余裕そうな高尾くんは後ろから来た選手にパスをする。パスを受け取った選手はシュート態勢に入るが、そこも俺のテリトリー内だ直ぐに追いついてブロックする。俺がブロックしたボールを日向先輩がひろい、そうして攻守が激しく入れ替わるが一向にお互い点が取れない。
「…っ!」
ドリブルで切り抜けアクロバットを駆使してパスを通す。リバウンドを取られた。速攻は俺が防ぐ!
高尾くんは俺が来るのを待ちわびてたかのようにドリブルで攻めると真後ろにパスをした。そこにいたのは緑間くん。
「させるかっ!」
打つ前に緑間くんの元まで行くことは出来たけどプレッシャーをかけるのは間に合わなかった。崩れないフォームから放たれるシュート。俺はただ見上げることしか出来ない。
「お前にはもっと洗練されたバスケがあるように見えたのだよ」
「…?」
まだ、シュートは入らない。ボールは高く空中にいる。緑間くんはメガネをかけ直し俺を一瞥すると守備へと戻る。そんな中、正反対に走る火神くんの姿が見えた。こうしてはいられない。俺も全力で走った。
「洗練された.....バスケ、か」
シュートが決まり、秀徳にポイントを許してしまった。しかし、そこで黒子くんが体を回転させ遠心力でゴール下まで走っていた火神くんにパスを出す。もしものために俺が中継役としていたがその必要もなく火神くんがゴールをし返す。
「すみません、そう簡単に第1Qを取られると困ります」
冷静にそういう黒子くんを見える。その場しのぎの動きではむしろ隙が多い。
「おい!ボーッとしてねぇですぐディフェンスだ!」
「日向先輩。…俺、ちょっとマジになります」
「は?あっ、ちょ…!橙山!!」
向こうがハーフコートまでくるのをゴール下から待って緑間くんにパスがいくと動いた。緑間くんには火神くんがついているが、一瞬にして火神くんの後ろに俺が来たことと、黒子くんがさっきと同じように速攻するためゴール下へと向かうのが同時にみえた緑間くんはシュートを打たずにパスをだした。
「....俺が培ったもの」
ディフェンスはテニスで培った足でボールに食らいつく。1on1とか考えるからだ。俺の場合は。
そして、オフェンスはあいつとやった本来のバスケを。まあ見とけよ、洗練されたバスケを。
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ZERO(プロフ) - 話めっちゃ面白いです!!質問なんですが、もう更新はしない予定ですか?? (2023年3月14日 22時) (レス) id: 9cf90e2809 (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - 成類さん» 返事遅くなりました!はい同い年です! (2022年4月23日 6時) (レス) id: 66aa2da0c7 (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 一つ質問なのですが、手塚や幸村、跡部たちと同い年ですよね? (2021年8月28日 20時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - プラタナスさん» コメントありがとうございます。そうなんです。テニス界は別次元すぎて...そこの境目が出過ぎないように楽しく書いていきたいと思います!面白いと言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2021年7月20日 8時) (レス) id: ca079dae55 (このIDを非表示/違反報告)
プラタナス(プロフ) - テニス界にいたならスタミナ切れで負ける事無いですし、ジャンプ力もネットの上余裕で超えれるので普通に強いプレイヤーですよね(笑)夢主がバスケとテニヌでの常識が全然違って驚いてるのが凄い面白いです (2021年7月18日 9時) (レス) id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅうぶら | 作成日時:2021年7月5日 16時