22話 ページ23
.
とうとう最終日、まずは正邦との試合だ。過去の正邦の試合を見た時に薄々感じていたけどアップの様子を間近でみるとやっぱりそうだ。
「橙山くん。練習に参加しないで何してたんですか？」
「サボってたわけじゃないから、黒子くん。自主練してた自主練」
黒子くん..少し怒ってるな。そうだよな、何も言わず今日まで顔出さなかったからびっくりだよな。監督に個人練したいってだけ話持ち出した時に『シメルぞ』って言われたのをどうにか説得した。試合で何やってたかちゃんと見せるし許して。
「こいつですよねー？誠凛超弱いけど1人すごいの入ったって！」
「はっはー.....何あれ？バスケって試合前に喧嘩売らないと始まんないの？え？」
「橙山くん真顔なのに声だけ笑ってるの怖いです」
正邦の選手が火神くんに近づいて失礼なことばかり言ってくる。なんとか流されないようにと笑っているつもりだったけど黒子くんに顔と声がリンクしていないとツッコマれた。その後、アップが終わり控室へと戻ると先輩も俺たちも特に話をすることなく黙る。それを見かねたのか監督からご褒美があると言い出した。
「ウッフ、次の試合に勝ったらみんなのホッペに...チューしてあげる！どうだ？」
「ウッフってなんだよ」
「星出しちゃダメだろー」
誰も喜ぶものはいない、というか反応に困るやつ。伊月先輩と小金井先輩のツッコミに監督は膝から崩れた。日向先輩が慌てて監督のフォローに入るがフォローになっていない。ギリでも喜べ、と言われた監督はとうとう地に伏した。
「去年の借り返すんだろが！おい！1年分利子ついてえらい額になってんぞコラー！！」
「あとは、勝つだけだいくぞ！」
監督の言葉に日向先輩は去年ボコボコにされてもう少しでバスケ辞めそうになったって言った上で強くなった自信があると言い切った。この人達は挫折を味わい、それでも立ち直れる力がある。気合を入れ直した俺たちは控室を出た。
「この試合は先輩たちが過去を乗り越える、大事な試合だと思うんです」
そう背後で黒子くんと火神くんが話しているのが聞こえた俺は思わず両頬を引っ叩いて真っ直ぐ前を見据えた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 374人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ZERO(プロフ) - 話めっちゃ面白いです！！質問なんですが、もう更新はしない予定ですか？？ (2023年3月14日 22時) (
レス) id: 9cf90e2809 (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - 成類さん» 返事遅くなりました!はい同い年です! (2022年4月23日 6時) (レス) id: 66aa2da0c7 (このIDを非表示/違反報告)
成類 - 一つ質問なのですが、手塚や幸村、跡部たちと同い年ですよね？ (2021年8月28日 20時) (レス) id: 9f128687fb (このIDを非表示/違反報告)
ze0(プロフ) - プラタナスさん» コメントありがとうございます。そうなんです。テニス界は別次元すぎて...そこの境目が出過ぎないように楽しく書いていきたいと思います！面白いと言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2021年7月20日 8時) (レス) id: ca079dae55 (このIDを非表示/違反報告)
プラタナス(プロフ) - テニス界にいたならスタミナ切れで負ける事無いですし、ジャンプ力もネットの上余裕で超えれるので普通に強いプレイヤーですよね（笑）夢主がバスケとテニヌでの常識が全然違って驚いてるのが凄い面白いです (2021年7月18日 9時) (レス) id: 74d3bdb7ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゅうぶら | 作成日時：2021年7月5日 16時
