【文スト】一般人の中原です

　・　どう在りたいか ページ42

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『正直最初は最悪だった……けど兄さんは、云った言葉と心が一緒だったんだ』





隠し事をしていたのは事実だが、それ以外は全て嘘は無かった。





『君が君で生まれたのは、今更どうこう出来る事じゃない。なっちゃったものは、神様だってどうする事も出来ないし、何かしてくれる訳でもないよ』



「……じゃあ、どうしたら？」



『それは久作君が考えないと』



「え？」



『どうしたいかは君次第で何とでもなるんだよ。それでも困った時は、誰かに相談するとか……』





そこでAが「あ、そうだ」と何かを思い付いた。









『俺も相談に乗るからさ』



「えっ」



『あ、でも外出制限されてるんだっけ？ まぁそこは兄さんが何とかしてくれるか』



「……」









久作はポカンとして、泣くのも忘れてAの話を聞いていた後、笑った。









「お兄さん、変だねっ！」



『変っ！？』









子供に笑われて「俺、変なのかなぁ」と首を傾げるA。









「……でも僕、そう云うお兄さんは嫌いじゃないよ」









嬉しそうな顔をして、久作はぼそりと呟いた。









『……うっ！』





その時、Aが頭に手を当てて顔を歪ませ、そのまま横に倒れた。





「お兄さんっ！？」



『やっば……頭、痛っ……』





痛む頭を抱えて、久作が呼ぶ声も遠くなり、次第に意識が薄れて行った。



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