・ 似た境遇 ページ41
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真っ暗な空間にポツンと佇むA。
周りを見渡すも何もない空間。
すると、少し離れた所で小さな子供が蹲って泣いていた。
近寄って見ると、白と黒の髪をした少年――――夢野久作だった。
『夢野……久作君……?』
「ぐすっ……お兄さん、誰? 中也さんに似てるけど……」
泣き腫らした目をしながら久作が尋ねた。
『中原中也の弟の、Aって云うんだ』
「弟……。お兄さん”心が読める異能”だって、彼奴が云ってた」
彼奴――――恐らく組合の青年だろう。
『うん。それで君の名前も何者なのかも知った。異能が嫌いなのも、世界を憎んでいるもの』
Aは久作の前にしゃがむと、久作は顔を俯かせた。
「……僕、どうしたら良いのかな?」
『?』
「僕が僕として生まれたから、こんな異能を持って、僕ばっかり酷いことが起こって……神様は居るけど、僕のことは愛していない」
ぽろぽろと再び涙を流し始めた久作。
『……俺も、自分の異能が嫌いだった』
ぽつりとAが呟き、久作は泣き顔のままAを見上げた。
『手を繋いだだけで、その人が何を考えているのかが分かった。それを伝えたら気味悪がられた。関係なんて拗れまくりで、孤児院では誰も近寄らなかった』
優しく接してくれた先生は子供が大嫌いだった。
10年連れ添った夫は、別の女と付き合っていた。
その妻も、別の男と付き合っていた。
優等生な生徒は、陰で誰かを虐めていた。
『知りたくもない事が勝手に頭に入って来るし、何時も頭痛がして酷い時は熱を出して寝込んだ。それが嫌で俺も人を避けていたし、“何で俺ばっかり”って何時もイライラしてた』
そんな頃、兄と再会した。
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由良の門を - 乱歩さんが可愛い (2023年4月9日 12時) (レス) @page36 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - ロバート先輩wwwここめっちゃ笑えました!中也くんと同じこと思いましたwめちゃくちゃ面白いです! (2023年2月11日 0時) (レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - お忙しい中、リクエストに応えていただきありがとうございました!探偵社を交えてのワイワイした様子とか見てて楽しかったです! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - リクエストお願いします。弟君が自分に好意を寄せる厄介な女性への対処に困ったところが見たいです! (2019年3月21日 23時) (レス) id: 18f48afc5e (このIDを非表示/違反報告)
ロト - リクエスト失礼します。中也と弟君とでショッピングしたりするほのぼのが見てみたいです。お願いします! (2019年3月19日 17時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年2月2日 21時