・ 迫る狂気 ページ39
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『それじゃあ、お先です』
バイトの終了時間が来て、家に向かおうとした時。
「わぁお、グッドタイミングだ」
目の前にハンチング帽の青年――スタインベックと、
ソフトクリームを買いに来た男――ラヴクラフトが立って居た。
『……何ですか?』
「君、中原Aで合ってるよね?」
『っ!?』
スタインベックが、写真を見せながら尋ねて来た。
危険を感じたAは、すぐさまその場から走り出した。
兄に掛けようと携帯電話を取り出し耳に当てるが、コール音が鳴るばかり。
音が切り替わって、留守番電話の音声に切り替わった。
その時、後ろから不気味な触手が伸びて来た。
『うっわっ!?』
ラヴクラフトの腕から伸びた触手は、Aの体に巻き付くと、地面から足が離れた。
『くっ……何だ、アンタ達――――っ!?』
触手に触れながらAが尋ねた。
瞬間、頭に激痛が走った。
『うっあ、あぁああああああっ!!』
ラヴクラフトと呼ばれる「それ」は、想像以上に「得体の知れない存在」だった。
Aの意識は、そこで暗転した。
「……ん? 動かなくなった」
「駄目じゃないか。捕まえるのは僕がやるって云ってあったのに。精神が壊れたら作戦が台無しだ」
ラヴクラフトの触手に捕まったAは、突然もがき苦しみ出し、ガクッと気を失ってしまった。
「触れた相手の情報を読み取る異能力、か。彼の情報でキャパオーバーしたのか、可哀そうに」
Aは地面に下ろされると、今度はスタインベックの葡萄の木で拘束された。
「よし、任務完了だ」
Aの体を抱えて、組合の二人は姿を消した。
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Aからの留守電が中也の耳に入るのは、その1時間後の事だった。
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由良の門を - 乱歩さんが可愛い (2023年4月9日 12時) (レス) @page36 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - ロバート先輩wwwここめっちゃ笑えました!中也くんと同じこと思いましたwめちゃくちゃ面白いです! (2023年2月11日 0時) (レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - お忙しい中、リクエストに応えていただきありがとうございました!探偵社を交えてのワイワイした様子とか見てて楽しかったです! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - リクエストお願いします。弟君が自分に好意を寄せる厄介な女性への対処に困ったところが見たいです! (2019年3月21日 23時) (レス) id: 18f48afc5e (このIDを非表示/違反報告)
ロト - リクエスト失礼します。中也と弟君とでショッピングしたりするほのぼのが見てみたいです。お願いします! (2019年3月19日 17時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年2月2日 21時