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「……え、森さんは君の事知ってるの?」



『俺が居た孤児院を見付けたのは森医師ですから。俺の異能の事も知ってるみたいです』





さも何でもないと云った風に、Aはフラペチーノを飲んでいた。





「……いやA君? これ結構重大問題なのだけど? 勧誘とかされてない? 大丈夫?」



『兄さんも同じ事云ってました』



「云うよねそれは」





中也の事だ、誰よりも人一倍に弟を心配するだろう。





『勧誘はされた事ないんですよ。兄さんがマフィアの事隠してたからだと思います』



「……そうなると、近い内に接触して来るかも……」





そう呟いた太宰が「良しっ!」と手を打ってAを見た。









「A君を探偵社に入社させようっ!」





『お断りします』









Aがバッサリと云い放つと、太宰がガタッとテーブルに項垂れた。





「即答なのっ!? 考える余地もないのかいっ!?」



「無駄だ太宰。僕が既に話をしたから」





空っぽの容器を凹ませながら乱歩が云った。





「この頑固者は、探偵社にもマフィアにも入る気は無いんだってさ」



「ちなみに、理由は?」



『まぁ、一言で云えば、兄さんの為、ですかねぇ』



「むむぅ〜……あの蛞蝓めぇ〜」





怨めしそうに唸る太宰は、パッと体を起こした。





「A君、ケータイ貸して?」



『この流れで貸したら壊されそうなので嫌です』



「大丈夫、君にはそんな事しないさ」





何か含みのある云い方に不信感を抱きながら、Aは太宰に携帯電話を渡した。





「はい、チーズ」





太宰は自分も含め、Aと乱歩で写真を撮影。

その後すぐに何か操作をして、Aに返した。





『何で写真を撮ったんですか?』



「記念だよ」





うふふっと何とも楽し気に太宰は笑った。

それを見て、乱歩が溜息を吐いた。





「A君、頑張って」



『え、何をですか?』





Aが尋ねるが、乱歩はそれ切り何も云ってくれなかった。



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由良の門を - 乱歩さんが可愛い (2023年4月9日 12時) (レス) @page36 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - ロバート先輩wwwここめっちゃ笑えました!中也くんと同じこと思いましたwめちゃくちゃ面白いです! (2023年2月11日 0時) (レス) @page13 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
鶴媛(プロフ) - お忙しい中、リクエストに応えていただきありがとうございました!探偵社を交えてのワイワイした様子とか見てて楽しかったです! (2019年3月24日 23時) (レス) id: 3faee80352 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - リクエストお願いします。弟君が自分に好意を寄せる厄介な女性への対処に困ったところが見たいです! (2019年3月21日 23時) (レス) id: 18f48afc5e (このIDを非表示/違反報告)
ロト - リクエスト失礼します。中也と弟君とでショッピングしたりするほのぼのが見てみたいです。お願いします! (2019年3月19日 17時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2019年2月2日 21時

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