【文スト】一般人の中原です

治療中の弟 ページ25

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探偵社は今、重苦しい空気に満ちていた。





それもその筈。

突然、窓を突き破ってポートマフィアの幹部、中原中也が飛び込んで来たからだ。





彼の姿を見た途端、社員達は戦慄した。





そして、彼が抱える人物を見て、更に目を見開いた。









「A君っ！？」



「一体何がどうなって……」









社員が動揺する中、事務所の扉が開いて太宰が入って来た。

「中也」と太宰が名を呼べば、彼は無言でそちらに歩いて行った。





その先には、医務室があり、既に与謝野が準備を済ませていた。





「アンタ達は外に出てな」





与謝野にそう云われ、部屋から閉め出された太宰と中也。





太宰がチラリと中也に目を向ける。

中也は恐ろしく静かに扉を見つめていた。





太宰は何も云わず、その場から離れ事務所へ戻った。





「太宰さんっ！ A君はっ！？」





割れた窓硝子を片付けていた敦が駆け寄って来た。





「与謝野先生に任せたから大丈夫だよ」





心配する敦達に、太宰は説明をした。



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