【文スト】一般人の中原です

弟はモテる ページ12

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中也Side





『兄さん、ちょっと相談があるんだけど』









ワインを飲んでほろ酔い気分な俺に、Aが唐突にそう云った。









「珍しいじゃねぇか。どうした？」









『結婚を申し込まれた』









「ぶほぉっ！！」









『兄さん、汚い』









食器を洗いながら弟はさらりと云った。



俺は予想外の相談に思わずワインで咽た。









「え、はぁっ！？ 結婚っ！？ 誰にっ！？」



『バイト先の先輩』



「付き合い長いのか？」



『一緒にバイトするようになって１ヶ月くらいかな？』



「付き合いってそっちか。恋愛的な付き合いは？」



『今日まで特に何も』



「は？」





それで突然結婚とか、何を考えているんだ相手は。





「お前はその先輩、どう思ってんだ？」



『優しい人だよ。後輩の面倒見も良いし、仕事態度も良いし』





弟的には好印象な先輩の様だ。





「……だが、付き合いもしないでいきなり結婚ってのは、どうなんだ？」



『俺もそう思って、いきなりは困りますって云ったんだ。そしたら先輩、今日がバイトの最終日らしくて』





「成程、もう会えないから思い切って告白したって訳か」









『うん、明日の午後の飛行機で国に帰るって』





「ちょっと待て？」









ビシッと手で制してAを見る。









「その先輩、日本人じゃねぇのか？」





「亜米利加(アメリカ)人だよ？』





「初耳だわ」









俺の頭の中で、勝手に金髪碧眼の女性のイメージが構築された。



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