検索窓
今日:11 hit、昨日:3 hit、合計:51,671 hit

50 過去7 ページ2

.





ある日、治から一本の電話が入った。





<A、頼みたいことがある>



「どうしたの?」



<先日話した任務の件、Aが行ってくれないかい?>



「あぁ、確か今、織田作と一緒だっけ?」





情報員の坂口安吾の捜索を首領が織田作に任命したのだった。

安吾は一度バーに訪れた時に、簡単な自己紹介をして以来か。





「報告書読んだけど、異能力者が居ないならすぐ済む案件さ。問題ないよ」



<ありがとう>



「あ、その代わり、今度僕のお願い一つ聞いてよね」



<えぇ……面倒臭いのは嫌だよ?>





治は渋りながらそれでも了承して電話を切った。









.









誰の所為なのか、何を間違ったのか。



そんな問い掛けが来るのは、いつだって事が済んだ時。



それはつまり、手遅れということだ。









.









敵組織の殲滅に関しては何の問題もなかった。

銃火器を備えていようが僕の異能の前では豆鉄砲と同じ。

僕の一声で黒犬が駆け回り、次々と人を喰らって行く。

部下を数名引き連れて来たが、僕の後ろで呆然とその惨状を眺めるばかり。

あとの掃除でもさせておこう。





「さぁて、ボスは何処かな?」





黒犬の嗅覚で一番奥の部屋へと進む。

ドアをぶち破れば、組織のボスであろう男がゆったりと椅子に座っていた。





「ようこそ、ポートマフィア、黒犬使い君。てっきり幹部様が来ると思ったがな」



「生憎、幹部様は多忙でね。貴方の組織潰すくらい駄犬で十分なので」





大型犬ほどの黒犬を数匹出しながら云うと、男は少し笑った。





「まぁ良いさ。君はその幹部様と同等に価値のある人間だろうからな」





そう云いながら椅子から立ち上がると、胸に手を当てた。









「太宰A。私を殺す男に敬意を」





.

51 過去8→←49 過去6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (157 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
233人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ルビー - 4ネタも見てみたいと思いました。すごく素敵なお話でした。 (2021年9月22日 7時) (レス) @page21 id: dc0e15f974 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - 暁郗さん» ご指摘ありがとうございます。別の兄妹の変換ミスです。弟です弟。 (2021年1月24日 17時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 兄妹?え、兄妹??妹…だったの!? (2021年1月24日 17時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ノルさん» コメントありがとうございます。喜んで頂けて良かったです。 (2021年1月11日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
ノル - 展開が面白すぎて一気に読み進めれました…! 更新楽しみに待ってます!ご無理のない程度に頑張って下さい(*´ω`*) (2021年1月11日 20時) (レス) id: 2991e696be (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2020年12月29日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。