【認識】探偵社とは ページ36
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――翌日、探偵事務所の会議室。
「母親の名前は朝河ヨシ子、四十四歳。スーパーでパートとして働いている。夫は二年前に他界しており、今は14歳になる娘と二人暮らしです」
「その娘って云うのが、朝河サヤ。市内の私立中学校に在籍。一週間前に転校して来たそうです」
「Aが失踪した時期と重なるねぇ」
「念の為、その付近の市内の監視映像を確認します。何処かでAちゃんが映っているかも」
「異能力者の情報について、特務課は何と?」
「はい。記憶操作の異能力者は8人。現在確認を行っているそうです」
「引き続き母親とAの動向の調査を頼む」
会議は終了し、各自持ち場に戻った。
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「ねぇサヤ。昨日の二人と知り合いなの?」
「着物の子と連絡先交換した?」
学校へ登校した途端、友達からの質問攻めにあっていた。
それに対し「サヤ」は溜息を吐いた。
『知り合いじゃないし、連絡先も交換してないよ』
「えぇ〜詰まんないの」
『大変だったんだから。母さんに連絡忘れて、怒鳴り込んで来たんだから』
「あぁ、サヤのお母さん、かなりの過保護だからねぇ」
宥める為に結構苦しい云い訳をした気がするが、納得してくれたから万事解決だ。
「で? 結局何処に云ったのよ?」
『確か、武装探偵社って云ったっけ?』
「あぁ何か聞いた事ある。あれでしょ? 異能力って凄い力持った人達が居るんでしょ?」
「サヤは転校して来たから詳しくないか。ヨコハマって異能力者が結構居るみたいでさ」
「しょっちゅう事件とか起こってるよね」
「そう云う、警察もお手上げの事件を担当するのが、武装探偵社だって」
それは何とも物騒な事で。
昨日事務所で会った社員達の顔を思い浮かべる。
あの人達、その異能力を持っているのかな。
試しに、ネットで武装探偵社の事を調べてみた。
もはや都市伝説並みの話が沢山出て来た。
――ビルの近くは通らない方が良い。上から窓硝子の破片が降って来るから。
――偶に人が降って来るってさ。
――結構恨み買ってるみたいで、銃持った人達が襲撃してくるって。
――断末魔の叫びが聞こえた……あそこやべぇって。
――車が空を飛んだってさ。あれも探偵社らしい。
携帯電話を仕舞って、ふぅっと一息。
結論――――関わらない方が良い。
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白織 - あけましておめでとうございます!今年も1日から楽しく読ませてもらいました。本年も無理なく楽しくお話を書いてください! (2019年1月1日 21時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - ネコぱふぇさん» とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月23日 16時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - リクエスト消化ありがとうございます!最初からドキドキしながら読んでいって太宰さんや織田作との絡みがあってとても楽しく読んでましたw更新頑張ってください! (2018年11月26日 2時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - ネコぱふぇさん» 成る程判りました!更新頑張って下さい!! (2018年11月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ミカさん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、終わりのセラフはアニメ知識しかなく、私が小説を書く程詳しくありません。なので、出来ません。 (2018年11月20日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年11月11日 22時