【忘却】薄れる記憶 ページ28
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会議室へ集まり、各々記憶を遡る。
皆の違和感を元に、Aが姿を消したのは約1週間前だと推測した。
「記憶操作の異能力か」
「しかし、それ程強制力がある記憶操作じゃない。現に皆、Aちゃんの名前を聞いた途端、記憶が復活したからね」
「乱歩さんだけが覚えていたのは、出張でヨコハマを離れていたから?」
「影響する範囲が限定されていたと云う事か」
「でも、Aは一体何処へ……真逆、誘拐されたんじゃあ……」
沈黙が流れ、社員の視線は乱歩に集まった。
「どう見る、乱歩」
「Aはまだヨコハマに居る。それは間違いない、けど……早くしないと不味いね、これは」
眼鏡を掛けた乱歩が珍しく歯切れ悪く云った。
体を反らして天井を仰いていた。
「どうしましたか?」
「相手の異能力の効果が続いている所為なのか、Aの存在が曖昧になっている」
「それってどういう事ですか?」
谷崎が質問すると、乱歩が体を戻して口を開いた。
「仮に、異能力の影響範囲がヨコハマ全体なら、ヨコハマに居るだけで僕等の記憶が操作される。今はまだ大丈夫かもしれないけど……」
「……時間が経つにつれて、またAちゃんを忘れてしまう、と云う事ですか」
「そんなっ!」
「それを食い止めるには、A自身を見付けるか、異能力者を止めなければなりませんね」
「うむ……」
社長は一度頷き、椅子から立ち上がった。
「国木田、異能特務課に類似する異能力者の情報を求めよ。ここ数日の異変を探せ。他の者は手分けをしてAの捜索に当たれ」
社長の言葉に、全員が席を立ち行動を開始した。
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白織 - あけましておめでとうございます!今年も1日から楽しく読ませてもらいました。本年も無理なく楽しくお話を書いてください! (2019年1月1日 21時) (レス) id: a1083074eb (このIDを非表示/違反報告)
凍り姫 - ネコぱふぇさん» とっても面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月23日 16時) (レス) id: 7ecdf95431 (このIDを非表示/違反報告)
山吹晋助(プロフ) - リクエスト消化ありがとうございます!最初からドキドキしながら読んでいって太宰さんや織田作との絡みがあってとても楽しく読んでましたw更新頑張ってください! (2018年11月26日 2時) (レス) id: 9dd3548da5 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - ネコぱふぇさん» 成る程判りました!更新頑張って下さい!! (2018年11月20日 22時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
ネコぱふぇ(プロフ) - ミカさん» コメントありがとうございます。申し訳ないのですが、終わりのセラフはアニメ知識しかなく、私が小説を書く程詳しくありません。なので、出来ません。 (2018年11月20日 22時) (レス) id: 3da7122dd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネコぱふぇ | 作成日時:2018年11月11日 22時